未練ある魂はモダンの様々な瞬間と共に在る。
今までも、たぶんこれからも。
未練ある魂。
「リンリン」等の愛称で時に親しまれ時に憎まれながら、発売から6年以上経つ今なお、シャドウデッキや神ジェイスをひっぱたいたりチャンプブロックで時間を稼ぐ等の活躍を続けている。
きっと、こうしている間も世界のどこかでキャストされている事だろう。
彼は2012年2月、当時「とんでもない塩(※1)」と呼ばれた闇の隆盛で、深夜の出没の弟分のアンコモンとして生を受けた。
※1:狩り達、伝書士、サリア、墓所這い、信仰なき物あさり、ドラグスコルの隊長、墓掘りの檻などが収録された、現代の基準からすればやべーセットである。pauperの強カードまで入れれば、こんなもんじゃなく名前が挙がるだろう。
だが当時の思案、定業、出産の殻、オパモ、教区の勇者などがひしめくスタンダードでは雑魚も良いとこだったのも事実だ。
収録後すぐ、兄を遥かに上回るトークン生成能力が評価される。
この時に前セットであるイニストラードに収録された「無形の美徳」と二人で結成したのが、のちの「白黒トークン」である。
そして同年6月のグランプリ横浜(モダン)にて、白黒トークンは「モダンなんて血編みジャンドと欠片の双子しかデッキのないフォーマット」という下馬評を覆し優勝。
決勝戦がまったくノーマークだった白黒トークンと青単フェアリーだったという結果は多くのプレイヤーを驚かせ、またモダンフォーマットの奥深さを我々プレインズウォーカー達は再確認した。
その活躍も記憶に新しい9月、今度はFNMプロモになる。
スタンダードでもエスパー型のデルバーやトークンズ、コントロールを中心に引く手あまたの状態であり、ブロック構築では「強すぎて禁止」という処分を受ける。
彼の人生の一つのピークであった。
しかし同年11月。
白黒トークンの永遠の宿敵である土地コンボ勢の筆頭、ヴァラクートが禁止解除される。
これによりモダンでの活躍こそ少し失速するものの(※2)、スタンダードではスタン落ちまで何かしらの形では存在感を発揮し続け、明くる2013年にはデュエルデッキ「ソリンvsティボルト」にプロモ絵で収録される(※3)。
※2:スケープシフトにこそ弱いものの、欠片の双子と互角に戦闘でき、フェアデッキにも強いため、まだ「虎視眈々と天下を狙う立場」くらいには白黒トークンは居た。
※3:細かい話だが、このデュエルデッキはエキスパンションシンボルが結構カッコ良い。
2014年には2月に苦花が禁止解除、5月にはモダンイベントデッキに白黒トークンテーマが抜擢される。
今度こそ白黒トークン復活の時!かに思われたが現実は……
バーンとかデルバーデッキ「速槍!大歓楽!神聖の力線には破壊的な享楽!手札が尽きたら宝船!!」
世紀末だった。
なんでこんなに短期間でたくさんバーンの強化パーツが出てきたんですかね。
特に金玉漂流は許さない…本当に許されなかった。
そこからは「全自動たまご割り機!→コンボの所要時間が長過ぎて禁止」「墓トロール禁止解除!→やっぱりまた禁止」とか「ウギン収録→BFZではウラモグ収録でトロンがメガシンカ!」とか「ウギンの目から0マナと化したエルドラ軍団がたくさん出てきてgg」とか、もうめちゃくちゃや。全身糞まみれや、気が狂う(※4)。
さすがにウギンの目禁止以降はモダンの世紀末は終わり、新世紀が訪れた(※5)。
※4:サニーサイドアップは個人的には楽しかったと思う。
※5:でも、途中経過がめちゃくちゃ過ぎて新世紀を見ずに辞めた人も多々いると思う。少なくとも、欠片の双子勢は禁止された時引退したのではないだろうか。
この「エルドラージの冬」までの空白とも呼べる時代の間、未練ある魂の活躍は公式にはほとんど記録されていなかったように思う。
彼が再び歴史の表舞台に姿を現すのは、恐らく2016年の異界月発売以降の「アブザンミッドレンジ」や「アブザン昂揚」の時代だろう。
それまでの間の彼の行動には諸説あり「ポックスデッキの主力だった」「エスパーコンでヴェリアナの友達だった」「変わらず白黒トークンに在籍していた」など、研究者により意見の分かれる所だ。
そして再びモダンの高tierに返り咲いてからの彼の活躍は、今更説明する程でもないだろう。
新時代の白黒トークンである「マルドゥパイロマンサー」、テクニカルなメタビート「エルドラージタックス」、同型を殺すための進化を遂げた「エスパーシャドウ」等で近年も活躍が確認されている。
功績が認められ、初の収録から5年以上経過した2017年のモダンマスターズにも収録される。
今はもう彼は「白黒トークンのエース」ではないのかも知れない。
そこに少しの寂しさを感じはするが、僕は「自分が好きなもの」が評価されている事自体はなんとなく嬉しい。
お相手はtwelve01100でお送りしました。
今までも、たぶんこれからも。
未練ある魂。
「リンリン」等の愛称で時に親しまれ時に憎まれながら、発売から6年以上経つ今なお、シャドウデッキや神ジェイスをひっぱたいたりチャンプブロックで時間を稼ぐ等の活躍を続けている。
きっと、こうしている間も世界のどこかでキャストされている事だろう。
彼は2012年2月、当時「とんでもない塩(※1)」と呼ばれた闇の隆盛で、深夜の出没の弟分のアンコモンとして生を受けた。
※1:狩り達、伝書士、サリア、墓所這い、信仰なき物あさり、ドラグスコルの隊長、墓掘りの檻などが収録された、現代の基準からすればやべーセットである。pauperの強カードまで入れれば、こんなもんじゃなく名前が挙がるだろう。
だが当時の思案、定業、出産の殻、オパモ、教区の勇者などがひしめくスタンダードでは雑魚も良いとこだったのも事実だ。
収録後すぐ、兄を遥かに上回るトークン生成能力が評価される。
この時に前セットであるイニストラードに収録された「無形の美徳」と二人で結成したのが、のちの「白黒トークン」である。
そして同年6月のグランプリ横浜(モダン)にて、白黒トークンは「モダンなんて血編みジャンドと欠片の双子しかデッキのないフォーマット」という下馬評を覆し優勝。
決勝戦がまったくノーマークだった白黒トークンと青単フェアリーだったという結果は多くのプレイヤーを驚かせ、またモダンフォーマットの奥深さを我々プレインズウォーカー達は再確認した。
その活躍も記憶に新しい9月、今度はFNMプロモになる。
スタンダードでもエスパー型のデルバーやトークンズ、コントロールを中心に引く手あまたの状態であり、ブロック構築では「強すぎて禁止」という処分を受ける。
彼の人生の一つのピークであった。
しかし同年11月。
白黒トークンの永遠の宿敵である土地コンボ勢の筆頭、ヴァラクートが禁止解除される。
これによりモダンでの活躍こそ少し失速するものの(※2)、スタンダードではスタン落ちまで何かしらの形では存在感を発揮し続け、明くる2013年にはデュエルデッキ「ソリンvsティボルト」にプロモ絵で収録される(※3)。
※2:スケープシフトにこそ弱いものの、欠片の双子と互角に戦闘でき、フェアデッキにも強いため、まだ「虎視眈々と天下を狙う立場」くらいには白黒トークンは居た。
※3:細かい話だが、このデュエルデッキはエキスパンションシンボルが結構カッコ良い。
2014年には2月に苦花が禁止解除、5月にはモダンイベントデッキに白黒トークンテーマが抜擢される。
今度こそ白黒トークン復活の時!かに思われたが現実は……
バーンとかデルバーデッキ「速槍!大歓楽!神聖の力線には破壊的な享楽!手札が尽きたら宝船!!」
世紀末だった。
なんでこんなに短期間でたくさんバーンの強化パーツが出てきたんですかね。
特に金玉漂流は許さない…本当に許されなかった。
そこからは「全自動たまご割り機!→コンボの所要時間が長過ぎて禁止」「墓トロール禁止解除!→やっぱりまた禁止」とか「ウギン収録→BFZではウラモグ収録でトロンがメガシンカ!」とか「ウギンの目から0マナと化したエルドラ軍団がたくさん出てきてgg」とか、もうめちゃくちゃや。全身糞まみれや、気が狂う(※4)。
さすがにウギンの目禁止以降はモダンの世紀末は終わり、新世紀が訪れた(※5)。
※4:サニーサイドアップは個人的には楽しかったと思う。
※5:でも、途中経過がめちゃくちゃ過ぎて新世紀を見ずに辞めた人も多々いると思う。少なくとも、欠片の双子勢は禁止された時引退したのではないだろうか。
この「エルドラージの冬」までの空白とも呼べる時代の間、未練ある魂の活躍は公式にはほとんど記録されていなかったように思う。
彼が再び歴史の表舞台に姿を現すのは、恐らく2016年の異界月発売以降の「アブザンミッドレンジ」や「アブザン昂揚」の時代だろう。
それまでの間の彼の行動には諸説あり「ポックスデッキの主力だった」「エスパーコンでヴェリアナの友達だった」「変わらず白黒トークンに在籍していた」など、研究者により意見の分かれる所だ。
そして再びモダンの高tierに返り咲いてからの彼の活躍は、今更説明する程でもないだろう。
新時代の白黒トークンである「マルドゥパイロマンサー」、テクニカルなメタビート「エルドラージタックス」、同型を殺すための進化を遂げた「エスパーシャドウ」等で近年も活躍が確認されている。
功績が認められ、初の収録から5年以上経過した2017年のモダンマスターズにも収録される。
今はもう彼は「白黒トークンのエース」ではないのかも知れない。
そこに少しの寂しさを感じはするが、僕は「自分が好きなもの」が評価されている事自体はなんとなく嬉しい。
お相手はtwelve01100でお送りしました。
コメント
ヘルカイト懐かしいなぁ。
というかカード二枚でトークン8体は止めて下さい死んでしまいます。
デッキへの愛を感じますね