白黒トークン列伝【第二十五話】忌の一掃/Repel the Abominable
白黒トークン列伝【第二十五話】忌の一掃/Repel the Abominable
忌の一掃は美しい。


「より良い未来のために戦うのです。たとえその日を、生きてその目で見ることはできなくても。」
――聖トラフト騎士団のグレーテ

良い台詞だ、感動的だな。
しかし、このスペルは何故人間だけを守る謎パワーが発生するのか。ゲッター線の導きなのだろうか。

例えば、アジャニは白のプレインズウォーカーでありながら人間ではない種族の人物だが、もしこの場面に居合わせていたら、彼だけ神聖な防護の輝きに包まれず「だからなんで俺だけなんだよ!いい加減にしろよ!」とかなっていたのだろうか。
もっと言うなら、この時人類に加勢するためオリヴィアやウルリッチの軍勢も駆けつけていたはずだが、彼らはどういう気持ちになるだろうか。

……とか邪推していくとキリはないが、FTの感じからすると「人間だけが出来る高潔な決意の力により、瞬間的な大防御を行う」みたいな効果なのだろう。多分。


ゲーム中の性能は、要するに「回し受け」である。
人間クリーチャーからの攻撃を防げないためメインから採用するのは本当に無理だが、ぶどう弾だろうとヴァラクートだろうとマリットレイジだろうと1回だけなら完全に防ぎきる。

知名度の低さからたまに「そんなに何でも防ぐ訳あるか、インチキ効果もいい加減にしろ!」と言われてしまう事もあるが、大舞台ならジャッジ、草の根大会ならwikiを見てもらう等すれば、だいたい最終的には分かって貰える(※1)。

※1:別デッキの話にはなるが、たまに「万の眠り」でもこういう事は起こる。

ただし、いくら防いでも勝利出来る訳ではない。
僕はかつて「風景の変容を防ぎ、ライブラリ内に致死量の『山』がない」みたいな状態に持ち込みながらも、神々の憤怒の支援を受けた緑タイタンにひたすら殴られて死んだ事がある。
そうでなくても緑タイタンってトランプルあってキツいんだよな…

加えてトークンデッキは往々にして「生成」系カードと「強化」系カードのどっちが不足してもジリ貧になりがちだったりする。
サイドカードを足し過ぎて「防ぎ切ったけど、盤面には土地しかない」とかの状態にでもなろうものなら、逆転される事はよくある。

そういった事情から赤系デッキの「跳ね返す掌」が羨ましく見える時もあるが、ぶっちゃけ一長一短である。
ちなみに「安全な道/Safe Passage」や「暴動鎮圧/Riot Control」でも戦闘以外のダメージを防ぐ事が出来るが、こいつらは3マナ。だいたいは忌の一掃の方が便利な事が多いだろう。


一番の弱点はライフロスやLOを防げない事もあるが、「スケシとトロンを一度にみれない」事だ。
DJシグマさんも以前、減衰球の紹介記事だかに書いていたが、ミッドレンジは本当なら「同じカードで土地コンボ連中を全部対策したい」と思っている。
枠が用意しづらいからだ。

そのため、だいたいの人は大爆発の魔道士を採用する。
しかし白黒トークンは別に「コラコマで拾ってもう一回!」とはならないし、そもそもキルターンの遅さから「土地一個壊しても手遅れ」みたいな事もある。
枠さえ用意出来れば「忌の一掃2枚と減衰球2枚」みたいに、スケープシフトとトロン、それぞれの対策札を用意しても良いのかも知れない。
どっちも苦手なのは確かだし。

ちなみに赤が入ると血染めの月や高山の月も使える。
マルドゥ is GOD


お相手はtwelve01100でお送りしました。


【追記】
ところで、このカードはこちらの生物を狙った全体火力も防げるし、「あと1ターンあれば勝てるのに」というタイトなクリーチャー戦に普通にフォグとしてキャストしても良い。
案外使い用途が多く面白いという事も追記しておこう。

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