白黒トークン列伝【第六十九話】ルーン唱えの長槍/Runechanter’s Pike
ルーン唱えの長槍は美しい。


FTは『それを帯びる者の信仰の言葉ほどの鋭さ。』

「信心深い人間が持つと威力が上がる」とでも言いたいのだろうか。
だとすると、威力を上げるために思考掃き/Thought Scourを自分に撃つ行為は信仰という事だろうか。

なるほど、トランス状態の狂乱の中に神を見出すという事なのだろう。
つまり収録セットから見ても研究室の偏執狂 is GOD。すなわち神。
Q.E.D. 証明完了




かつて「カウブレード」というデッキがあった。

青白にたまに見られる、アドバンテージ能力やKPに物を言わせたコントロールでありフィニッシャーとしては精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptorが有名だが、このデッキには他にもフィニッシャーがいた。
それが「剣」である。

アド装置であり、土地を起こす能力さえ持つ饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine、回復装置であり、打点が激しい事になる戦争と平和の剣/Sword of War and Peace。
これらを戦隊の鷹/Squadron Hawkなどに装備させて突進させるのが当時のコントロール紳士達の嗜みだった。
他には石鍛冶から出てくるたわけた頭蓋骨の話もするべきなのだろうが、モダン禁止級なので強さは僕が語る間でもない事だとは思う。そのため割愛。

そもそも、カウブレードの延命手段には「戦隊の鷹で延々ガード」というやり方がある。
少なくとも4回のチャンプブロックが約束されているという事だ。対戦相手からすれば「約束された退屈、コントロール」とでも言った所か。
このチャンプブロック用のスーパー戦隊達はなんと飛行があるので、相手の初速を耐えきったあと、反撃に使用する事が出来る。

「飛行を持っていて」「複数体出せて」「代わりが湧いてくる」事から、この反撃の際には装備品が用いられる。
ようするに強力な装備品というものは『誰でもフィニッシャー装置』なのだ。

そして、お気付きだろうか。
「横並びする飛行生物」というものは、誰でもフィニッシャー装置である装備品とベストマッチなのだ。


そんな事もあり、カウブレードが去った後のSOM-ISD期では「リンリンのトークンに装備品」というベストマッチがあった。
その際に使われたのが、このルーン唱えの長槍である。

というか、未練ある魂に限らずクソ眼鏡やムーアランドのトークン、デルバー…最悪の場合は呪文滑りさえ天下無敵にする事が可能であり、衰微や評決でクロックパーミッションが滅亡するまでの間、それなりに猛威を振るった。
(僕はデルバー滅亡後もエスパーコンで使おうとは試みた。……霊異種が来るまでの話だが)


……という歴史や横並び戦略との相性を持つルーン唱えの長槍であるが、近年では「キャスト+装備がトータル4マナ」という面倒臭さからか、なかなか活躍が難しい。

そこで、新たな2マナの(疑似的な)装備品として近頃は密輸人の回転翼機/Smuggler’s Copterが注目されている。
ところでヘリコプターは「ヘリ・コプター」ではない。「ヘリコ・プター」だ(※1)。

※1:名前はギリシャ語の螺旋 (helico-,ヘリックス) と翼 (pteron,プテロン) に由来しており、「ヘリ(heli)」や「コプター(copter)」と略される他、「チョッパー(chopper)」とも呼ばれる。 (Wikipediaより抜粋)

装備品と違ってコプターは使うためのコストがかからず、ルーター能力で適当にフラッシュバック呪文や余った土地、あるいは恐血鬼等を捨ててカードを引く事も出来、しかもパワー1生物を3/3飛行にするという効果を恒常的に利用する事が出来る。



……と書いたが、所詮はプッシュでも稲妻でも死ぬ存在なので過信は禁物だ。


いずれにしても、戦いの歴史が続けば武器も革新が起こるという事である。
かつては存在さえしていなかった「装備品」が進化して「機体」となり、今なお更なる進化を続けているのだ(※2)。
戦う意志があるかぎり、武器が尽きることはない。


※2:そろそろWotCも機体へのマイブームは終わったろうし、進化はお終いかも知れないが。


お相手はtwelve01100でお送りしました。

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