白黒トークン列伝【第七十五話】貪る強欲/Devouring Greed
貪る強欲は美しい。


モダンの白黒で、騎士を組むという人がいる。

なるほど、1マナと3マナがドミナリアで強化されたし、M19では4マナとはいえロードも増えた。
きっと恐竜などと同じく今のWotCのマイブームなのだろう。
実際、騎士も恐竜も格好良い。これからもプッシュされて欲しいものだ。


ところで、白黒は他にも部族がある。

幽霊、すなわちスピリットである。
厳密には黒よりも青の方がスピリットが強いが、モダマス2では白黒がスピリットの色に選ばれるなど、まあまあ白黒もスピリットしている。


ところで、近年「幽体の行列/Spectral Procession」の人気がトークン者たちの間で衰えつつある。
「徹頭+徹尾/Start+Finish」や「ベナリア史/History of Benalia」の台頭、未練ある魂やヴェリアナ等の伝統的強カードの存在など、昔よりも3マナの選択肢が増えたのが原因だろう。

他にも3マナギデオンとかもいるし、そもそも3マナトリシンは色ガバ環境のモダンでさえ結構やってみると難しい。
僕自身、せっかくデュエルデッキ版のナイスな絵とエキスパンションシンボルの幽体の行列を持っている以上使いたいのだが、なかなか出番は来ない。
いっそ早くコモン落ちしろ。(本音)


だが、その隠れキリシタンめいた謎の勢力である「幽体の行列派」だけに許された必殺技がこの世には存在する。
それがこの貪る強欲/Devouring Greedだ。
しかし、なんつー名前だよこれ。

味方の霊魂をコストに対戦相手からライフを吸い取る暗黒魔法だ。
神河の"KAMI"とかを除けばだいたいの奴らは既に死んでるからスピリットなのに、そいつらを更に殺す事により成立するのだ。卑劣!(※1)
その邪悪な儀式をやった事により行われるのが、敵からのドレインなのも卑劣さを際立たせる。

※1:異界月のストーリーの時に一番思ったが、スピリットは死ぬとどうなるのだろう。ドラゴンボールみたいに「霊魂の状態で死ぬと完全消滅」なんだろうか。哲学的だ。


話を戻そう。
これまでにも何度か書いた通り、白黒トークンは打撃以外の勝ち手段を持たない。
PWの大マイナスもソリンとかギデオン、エルズペスやアジャニ、リリアナと揃いも揃って打撃戦に頼った連中であり、テフェリーよりは不器用で仕方ないにしても、何故かチャンドラより芸がない。

例えば、昨日記事にした亡霊の牢獄や、あるいは罠の橋でゲームセットなのだ。
置物割りのあるサイド後はともかくメインではもう勝ち筋はない。
出来るのはせいぜい、苦花でゆっくりと死ぬまでの間に己の罪を数える事くらいだ。

こういう時、他のデッキならPWに頼ったりバリスタや群れのシャーマン、あるいはウラモグキャスト等の悪あがき手段はいくらでもある。

一見突進しか能がないように見える人間などでさえ、かすめ取りにサリア、翻弄する魔道士等を駆使して妨害を行う事が出来る。再利用の賢者もサイド後ならあるだろう。
ゴブリンならば手投げ弾を2回投げてゲームセットとかもある。
あいつらはハンドによっては、戦線が止まってから第二の初速を発揮する場合さえある。


だから、メインボードにはぜひヴェリアナか苦渋の破棄を積む事をおすすめしたい。
だからこそ、戦線を何らかの手立てで止められてしまった時、あるいはスケープシフト等を相手にしていて「もうターンを返したらその瞬間に死ぬ!!」みたいな時に、ギリギリセーフの一撃を滑り込みヒットさせてしまうのだ。

1体につき2点ドレイン+2という吸い取り効率なので、例えば3体なら8点、4体なら10点のライフロスだ。
最後の一発をくれてやれそうだ。

しかし普通に組んだ白黒トークンでは場に並ぶ生物は「フェアリー、戦士、兵士、スピリット、騎士、同盟者、吸血鬼」とか種族はバラバラになる。
そんなやつらが無形の美徳の下に一つになるのが美しくもあるが、少なくともそれでは貪る強欲で大量ドレインを決める事は不可能になる。


そこで幽体の行列である。
これで最低8ドレインは約束される。可能なら深夜の出没も積むと良いかも知れない。

ただし、3マナ域が大渋滞を起こす。
スタンダード当時も「リンリン、出没、ドラグスコルの隊長」などで3マナが大渋滞を引き起こしていた。
早く2マナで2体スピリットを生むトークンスペルが出て欲しいものだ。

ちなみに、その場合白黒トークンなんかより青白スピリットの方が強くなる…強くなりそうである。


お相手はtwelve01100でお送りしました。

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