白黒トークン列伝【第五十四話】アジャニ最後の抵抗/Ajani’s Last Stand
白黒トークン列伝【第五十四話】アジャニ最後の抵抗/Ajani’s Last Stand
白黒トークン列伝【第五十四話】アジャニ最後の抵抗/Ajani’s Last Stand
アジャニ最後の抵抗は美しい。
近年のMTGのイラストの中でもぶっちぎりで美しい。


過去の注目のストーリーをカード化したエンチャントである。
マジックオリジンの時の「大オーロラ」とかもそうだけど、今後も基本セットでこういうのをやっていくのだろうか。ちょっと期待である。

妙なテキストがたくさん書いてある上に弱いが、ちょうど若ボーラスと相打ちさせるためのデザインと聞いてちょっと納得した。
その部分だけ考えると少し綺麗なデザインに見えなくもない。


4/4というサイズは結構微妙なように見えるが、考えてみればセラの天使やセンギアの吸血鬼、はたまたギデオンやドラゴン等のように「ファンタジックな強生物」のサイズであり、冷静に考えるとおかしくない気もする。

この「これくらいのサイズはだいたいこれくらいの強さ」という話をよく僕は新規プレイヤーにする事があり、「3/3は暴れ回る象とかビースト」「2/2は熊…今風に言うと騎士」とか「1/1は雑兵(熱心な士官候補生/Eager Cadetとかの類)」とか、色々話す。
これがカードのフレーバー性を高める行いなのではないかとも思う。

近頃はこの例えに「5/5はモンストロサウルス、スマッシャー、ギデオン等の『怪獣』」という話も加わっている。
こいつら、絶対和ゲーだったら4/4のやつらより弱いと思う。

ちなみに6/6は深淵の迫害者をはじめとしたデーモン、タイタン、ワムコ、ギデオンなどの「神々でさえ手を焼くような奴ら」のサイズだ。
実際、テーロスやアモンケットの神よりも、このくらいのやつら辺りからサイズ勝ちし始める。無印ドラゴンボールで言うならピッコロ(カタッツの息子の方)くらいは強いのではないだろうか。
しかし、さっき5/5の代表にモンストロサウルスを挙げたが、考えてみれば戦慄大口は6/6でありこっち(6/6サイズ)の世界の住人だ。

7/7~8/8は、それらさえ超えたエルダードラゴン連中や甲鱗。
マナレシオのせいで色々考えちゃうが、やっぱ設定だけならこいつらはヤバいのである。
エルドラージがもっとヤバいのもすごい。すごいヤバい。


こうやって見ると「怪獣>ファンタジー」みたいなウィザーズの「強さ」への哲学が伺える…ような気もする。
まあ「ウルトラマンってパッと見、仮面ライダーより強いよね」レベルの話から考えると、実際そうなのかは知らないが直感的に理解しやすい気はする。


それはそうと、このアジャニ最後の抵抗はトークンも格好良い(画像2)。

こいつが後々に若ウギンになるのかと思ったのに、話の感じ全然そんな事はなかった。
っていうか、同じセット内に完全上位互換のトークンがいるのは勘弁プリーズ(画像3)。


お相手はtwelve01100でお送りしました。
タイトルですべてが完結するスタイル。
白黒トークン列伝【第五十三話】饗宴への召集/Call to the Feast
白黒トークン列伝【第五十三話】饗宴への召集/Call to the Feast
饗宴への召集、それは果て無き進化の道の1ページ。



たまに収録される「4マナで3体」系のソーサリーの類の1つである。
元祖となるのはm13の「隊長の号令/Captain’s Call」だろう。
これは1/1兵士が3体出てくる。

「1/1兵士を4マナで出すとか雑魚もいいとこ」と見せかけて、m13リミテの世界には横並び戦略のサポートがちょこちょこある(※1)ので、結構便利には便利である。

※1:……とwikiには記載があったが、m13リミテの白というと僕は「指輪を装備して賛美で雑にパンチ!あいてはしぬ」みたいな事しかした覚えがない。知らなかった、そんなの…

とはいえアンセム抜きでは実質の「4マナ3/3」生物のようなものであり、構築ノーチャンである。
だがヤツは進化を遂げた。


Take Up Arms / 武器を手に (4)(白)
インスタント
白の1/1の戦士(Warrior)クリーチャー・トークンを3体生成する。

翌年発売のタルキールブロックでの3体スペルは、なんとインスタント。
呼べる生物も覇王譚に多数収録された「戦士」。

あまりやる気こそ感じられないデザインだが、「とにかく同じものは作るまい」というデザイナーの意気込みを感じる。
少なくとも、フィーチャーされてる部族を出す分やる気がある。


Sram’s Expertise / スラムの巧技 (2)(白)(白)
ソーサリー
無色の1/1の霊気装置(Servo)アーティファクト・クリーチャー・トークンを3体生成する。
あなたは、あなたの手札から点数で見たマナ・コストが3以下のカード1枚を、そのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。

それから3年後の霊気紛争では「テキストをごちゃごちゃにしてでもカードパワーを上げる」というやんちゃな方向への進化を遂げた。
今回も呼び出す生物はカラデシュ次元にシナジーのある霊気装置。
スタンダード的にはこのカードから何をキャストするのが正解だったのだろうか。


Call to the Feast / 饗宴への召集 (2)(白)(黒)
ソーサリー
絆魂を持つ白の1/1の吸血鬼(Vampire)クリーチャー・トークンを3体生成する。


そして同年9月。
ついに生成スペルは「トークンをバニラじゃなくする」というシンプルかつ強力な答えに辿り着いた。
プロモ宝箱の裏側に書いてある生き物を生成する。

加えて言うなら吸血鬼メカニズム自体は(ドミナリア発売による不幸な出来事さえなければ)構築級であり、ようやくトークン呪文は遊戯王めいた長い長いテキストなどを用いなくても強いカードを作る事に成功する。
リミテでもロードや吸血鬼分ライフロスの人とかなんとかと合わせて、あんな夢こんな夢いっぱいある。

こういった開発側の改良の先に、更なる美しいデザインや更なる未知の構築級カードが誕生するんだと思う。



始めたら止めないのがコツだ!


お相手はtwelve01100でお送りしました。
白黒トークン列伝【第五十二話】スピリットトークン/Spirit Token
白黒トークン列伝【第五十二話】スピリットトークン/Spirit Token
白黒トークン列伝【第五十二話】スピリットトークン/Spirit Token
スピリットトークンは美しい。


ついに52話にして、白黒トークンの真実の4番打者であるスピリットトークンの登場である。
よほどの事がない限りはデッキに入るし、しかも第一線級の強さだ。


イラストの種類が多すぎるので「スピリットってなんだよ(哲学)」と思いちょっと調べてみたが、wikiによるとだいたい霊魂的な「お化け」の事を意味するクリーチャータイプらしく、昔だったら「ゴースト/ghost」という種族に割り振られていたようなやつらや神河の「Kami」達が該当するようだ。

普通このテのゲームに出るお化けなんていうのは悪霊ばっかり居そうなモノだが、何故かスピリットは(殊にトークンは)白の善なる霊が多い(※1)。

※1:神河のスピリットトークンは無色だ。「この世ならざる存在」である事の表現なんだろうか。

悪霊はスペクターとかホラーとか、そういう事なんだろうか。
いずれにしてもイニストラードやタルキールのお化け達は人類のためを思って行動する傾向があるようだ。
「生きていた時は、彼らは農夫や領主や巾着切りや僧侶といった烏合の衆だ。死んでからは、彼らは真義に基づき一つになる。」ってヤツだろうか。

未練ある魂なんて名前の霊魂の、どの部分が白なのかよくわからないが…まあゲーム的な都合だろう。


ちなみにさっきKamiについて言及したが、一部の精霊もスピリットに属する。
…ええと、エレメンタルも精霊だ。

話は全然変わるけど、僕は豚とヴィランは早く黒枠でも印刷して欲しい生物タイプだと思っている。
もっと言うなら「猫やカエルなんか必死に印刷しまくってるくらいなら早く兎・クリーチャーをもっともっと印刷しろ」とも思っている。伝説のヴィザードリックスとか、あったら使ってみたい。
閑話休題。


またしても話は変わるが、ローウィン次元には種族・人間はいないはずだが、このスピリットは何の霊魂なのか(画像1)。
ゴブリン…フェアリー…エレメンタル……?
それとも幽霊ではない「スピリット」という名前の生命体だろうか。


そしてフィオーラのスピリットは…こいつ本当に白のカードなのかよ(画像2)。。
柱の男である。
立体化しがいのありそうな姿だし、誰か工夫に富んだシャドウボックス作ってそうなイラストでもある。

そもそも、パリアノに居るスピリットなのでカストーディ(※2)なのかと少し思ったりもしたが、見た所知性さえなさそうな雰囲気だ。

※2:ブレイゴの側近の、誤解を恐れない言い方をすれば幽霊議員みたいなやつらである。

一方ドミナリア次元のスピリットトークン(画像3)…えっ、何この……何?


お相手はtwelve01100でお送りしました。
やっとわかったぞ!

「ニッセン」って日本選手権か!


ランジェリーの話ではないとはわかっていたが、何の話かはわかっていなかった…
白黒トークン列伝【第五十一話】黄昏の預言者/Twilight Prophet
白黒トークン列伝【第五十一話】黄昏の預言者/Twilight Prophet
黄昏の預言者は美しい。


イクサランの相克の発売時、リアルの知人など数人から「これは絶対トークンデッキで強いですよ」と勧められた。

当時このカードは1,000~2,000くらいしたろうか、僕は結局初動買いはしなかった(※1)。

※1:いま考えてみれば当時は鎖回しなんてしなかったし「吸血鬼タッチ冠毛の陽馬」みたいのを組んで、スタンダードで活躍させる事は可能だったかも知れない。

BFZ発売時もドラーナをオススメされた事がある。こっちも結局は買わなかった。

どちらも意見をくれた人が信用できなかったのではない、単純に「案外高いな」と様子を見たのだ。
幸か不幸かどちらもその後値下がり、お手頃になった。


それはそうと、この昇殿ドレインのなんとも言えなさは言葉に出来ない。フレッシュグッデイ…フレッシュグッデイ……

一応「都市の承認」は一度得てしまえばゲーム中は失われる事はない。
その部分は案外強い。昇殿自体はトークンデッキなら楽勝でする。誘発までこぎ着けるのはそこまで難しくはないはずだ。

しかし、ドレイン量の期待値はどう考えても1-2点くらいに見える。
僕でさえ暗算出来る。何故ならMTGのデッキは大抵の場合土地が1/2~1/3を占めるからだ。
しかも構成を重くするほど土地は増える。「存在が構造矛盾」ってヤツだ。


もっとドレイン量を増やしたいが、土地を増やさずデッキを重くするのは事故を呼ぶ。危険だ。
そこで便利なのが「幽体の行列/Spectral Procession」だ。
なんか最近毎回こいつの事ばっか書いてるね、僕。

こやつは『3マナでありながら点数で見たマナコストは6だ』。
何を言っているのかわからねーと思うが、おれも何をされたのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ

ともあれ、これでデッキ内のマナコストは(3マナのカードと行列を差し替えたと仮定して)12も増えた!
これが僕、Twelveのタクティクスだ!!



その場合、ドレイン量の期待値は「12÷60=0.2」点上昇する。
えぇ…(困惑)


これは駄目だ。もっと根本的な所からマナコストを増やさなくては。

……そうだ、ガルタとアンコウと約束エムラを足そう。
そして、こいつらと相性もよく低マナ域を埋めるタルモと残忍な剥ぎ取りも入れよう。

そうするとマナ基盤がつらくなってきたな…幽体の行列はやむを得ず抜くことになるだろう。
また、ガルタなどとの相性の悪さから黄昏の預言者も抜いた方が良いに違いない。
それでデッキは結構形になったが、まだロマン要素という不確実な弱デッキ要素があるから、それをもっと現実的な形にブラッシュアップして…


出来たよ!!

4 残忍な剥ぎ取り
4 タルモゴイフ
2 包囲サイ
1 漁る軟泥

3 ヴェールのリリアナ
1 最後の望み、リリアナ
4 未練ある魂
3 コジレックの審問
3 思考囲い
3 ウルヴェンワルド横断
1 集団的蛮行
3 致命的な一押し
2 突然の衰微
2 流刑への道
1 忌まわしい回収
4 ミシュラのガラクタ

19 土地


オレはだれだ!?(仮面ライダーBlack感)


お相手はtwelve01100でお送りしました。
白黒トークン列伝【第五十話】船団の出航/Launch the Fleet
白黒トークン列伝【第五十話】船団の出航/Launch the Fleet
白黒トークン列伝【第五十話】船団の出航/Launch the Fleet
船団の出航は美しい。

いや、本当にイラストが美しい。
テーロスブロックのストーリーが最後の山場へ向けて盛り上がっている感じが出ている。


今回も数字にちなもうと「第50話だから50体出せるやつにしよう」と思い、その結果がこれである(50体出せるとは言ってない)。

たびたび僕は記事の中で幽体の行列/Spectral Processionのトークン生成効率を引き合いに出すが、船団の出航もまた、それに並ぶトークン生成効率を秘めている(どちらも1マナにつき1体という効率だ)。
しかもX呪文なので理論上生成できるトークンの数は無限大!
火力で例えれば獰猛達成時の火口の爪/Crater’s Clawsのようなものだ(※1)。

※1:実際に無限体出そうとすると無限体のアタッカーが必要になるという矛盾。

とはいえ、弱点は少なからずある。
まず、前提としてこのカードは「盤面で、特に物量で相手に勝っていないとキャスト出来ないカードだ」という事だ。2体通すために4体討ち取られてしまっては元も子もない。味方が一人もいないとキャストさえ出来ない。アタックにいける人員がいない場合も同じである。
一応リンリンや苦花トークン等の航空戦力を使ってキャストするというやり方はあるが、出てくるのは地上アタッカーだ。こいつらも相当討ち取られやすい。

また、複製/Replicate能力とは違い、同じ生物を複数回対象に取る事が出来ない。出来たら「劣勢を覆す必殺の一撃」みたいな存在にもなれたのだが…(※2)
一方で何故か追加コストに色がついてないので、白マナが1つあれば後はすべて白くない土地でもオッケーである。奮励呪文の中では屈指の融通だ。

※2:出来たとしてもテキストの記述的に駄目みたいですね…

ちなみに出てくるトークンは(普通のやり方では)真面目ソリンの+1による強化を受ける事が出来ない。本当に細かいレベルの話にはなるが、なんとなく不便ではある。


wikiには「宮廷通りの住人/Court Street Denizenと合わせてブロッカーをタップしながら攻撃だ!」みたいな事が書いてある。よく考えるものだ。

そのシナジーを抜きにしても、実際のところ速攻生物がたくさんわいてくるのと同じ事なのでアグロ気味のトークンデッキなら結構使えるのではないだろうか。
考えようによっては「打点を2倍にする呪文」と言えなくもない。無形の美徳やギデオンの紋章、喊声/Battle Cry能力などと組み合わせて一撃必殺出来たら最高である。


お相手はtwelve01100でお送りしました。
トークン列伝異伝【第1話】ドラゴンの餌/Dragon Fodder
トークン列伝異伝【第1話】ドラゴンの餌/Dragon Fodder
トークン列伝異伝【第1話】ドラゴンの餌/Dragon Fodder
ドラゴンの餌は美しい。


先日「町民の結集は、基本的には低性能」と記事を書いた。
このカードは実際の所その町民の結集と同じ性能なカードであるばかりか、下手すると下位互換だ。
だとすると使用に堪えないほどこのカードは弱いのだろうか?


実際には僕は、このカードは見た目以上の可能性を持っていると感じている。
同じ「トークンを2体生成するソーサリー」と言っても、白がやるのと赤がやるのでは意味合いが変わってくる。

【魅力1】
「鋳造所通りの住人」というゴブリンがいる。

Foundry Street Denizen / 鋳造所通りの住人 (赤)
クリーチャー — ゴブリン(Goblin) 戦士(Warrior)

他の赤のクリーチャーが1体あなたのコントロール下で戦場に出るたび、鋳造所通りの住人はターン終了時まで+1/+0の修整を受ける。
1/1

彼の能力は「赤の生物が出れば出るほど誘発する」。
トークンとの相性は良好だ。「住人→トークン」と繋げば、パワーは軽々3点になる。実際はそれ以上も望めるだろう。
これだけならガイド等の軽量生物をたくさん積んでも同じ挙動は可能かもしれないが、ドラゴンの餌はソーサリー。つまり僧院の速槍や若き紅蓮術士など、非ゴブリン型の戦闘員とも相性が良いのだ。


【魅力2】
炎樹族の使者から出せる。

モダン世界では炎樹族の使者の親友と言えば無謀な奇襲隊/Reckless Bushwhackerだが、奇襲隊は実はトークンとも相性が良い。しかも、それでいて炎樹族の使者も自身の召喚からドラゴンの餌に繋いでいける。
そして、それらを支えるのに僕はケルドの炎/The Flame of Keldを使用しているが、これもまた炎樹族から(苦し紛れにはなるが)出せるし、何よりスライ戦略ともトークン戦術ともバツグンに相性が良い。Ⅲの能力で全トークンが疑似的にパワー+2になるのだ。
美しい調和である。


【魅力3】
ゴブリンの手投げ弾/Goblin Grenadeで投げて5ダメージに出来る。

これだけでも、人間トークンとすべてが違うと断言出来る。
人間は生物同士でシナジーするのみだが、ゴブリンにはこんな隠し技があるのだ。


あくまでサブデッキだが、僕は日頃下記のようなデッキでホイホイ遊んでいる。
(うろ覚え再現)

4 鋳造所通りの住人
4 僧院の速槍
3 炎樹族の使者
4 ゴブリンの奇襲隊
4 無謀な奇襲隊
1 大いなるガルガドン

3 稲妻
3 ゴブリンの手投げ弾
3 壊滅的な召喚
4 ドラゴンの餌
2 クレンコの命令
4 ケルドの炎
1 かき立てる炎

16 山
4 ラムナプの遺跡


恐ろしい事だが、こんなヘンなデッキでも同型に出会った事がある(※1)。

※1:もっとも、向こうはゴブリンの王の探索/Quest for the Goblin Lordデッキだったが。


近頃めっきり白黒トークンの同型戦の機会は減ってしまったが、逆にこんなもので同型に出会うとは。

「けものフレンズ」を諸兄はご存知だろうか。
仲間を探す白い鳥は、最後には赤い仲間の鳥と出会うのだ。


お相手はtwelve01100でお送りしました。
白黒トークン列伝【第四十九話】均等化/Even the Odds
白黒トークン列伝【第四十九話】均等化/Even the Odds
この世には、並のトークン使いではキャストした事もないカードが存在する。


それはシングルシンボルのインスタントであり、3マナで3体のトークンを生成する。

トークン使いを名乗る身ならば、これがどのような意味を持つかは理解できるだろう。
このトークンの生成効率が本当であるならばトークンを生成するスペルにおいて、このカードが唯一絶対の力を持ち、その頂点に立つ。
席次も思想も関係なく、従わねばならないのだ。ソリン・マルコフの魂に。
それではご覧いただこう、「均等化/Even the Odds」だ!


Even the Odds / 均等化 (2)(白)
インスタント

この呪文は、あなたが各対戦相手より少ない数のクリーチャーをコントロールしている場合にのみ唱えられる。
白の1/1の兵士(Soldier)クリーチャー・トークンを3体生成する。
(MTG wikiより抜粋)


がああああ…(心が)折れるう~~!!(※1)

※1:つまり、かなりの高確率でスケープシフトだのコントロール相手には「唱える事さえ出来ない」。これが禁じられた力の重みだ!

はっきり言うと「機を見た援軍/Timely Reinforcements」の、ほとんど下位互換だ。
むしろ、これを見て幽体の行列/Spectral Processionが何故強いのか再確認された方もいるのではないだろうか。

一応、メタ的に「300%ノンクリとは当たらない!」みたいな状況でなら活躍の可能性は残されている。荒野の確保と幽体の行列の良いトコ取りだ!
「ハンデス→無形の美徳→均等化」で、敵の戦線は粉微塵だ!!

……その場合でも枚数積むと多分腐るし、ここまで状況が整っても案外難しい。


カードデザインとしては、きっと昔あった「要撃/Waylay」のようなものを狙ったのだろう。
要撃は騎士のブロッカーを突然発生させるインスタントである。僕が生まれて初めてキャストしたトークン生成の呪文でもある。
なので均等化も多少は…いや、でもこんなの刷るくらいなら要撃をモダンリーガルにして欲しかった。。


最後に、FTの紹介である。

「腐った悪臭野郎め」と騎士はののしった。「お前のような奴が、なぜここにいるんだ」
《要撃/Waylay》


ベナリアの戦いの賛歌を歌いながら倒れた者に、復讐の時の与えられぬことは無い。
――ベナリアの指揮官、エイドム・キャパシェン
《均等化/Even the Odds》


要撃のイラストのセラ人はなんなんだろうか。

我々プレインズウォーカーはストーリーを読み、ザンチャのように話の分かる潜伏工作員も居る事を知っている。
そのためセラ人達の台詞がどうしても、ガンダムMS IGLOOの汚い連邦兵みたいに見えてしまう側面はある。まあ普通に一般ファイレクシア人の邪悪さを知っていれば当然のリアクションでもあるが。

一方で、この均等化のFT…このベナリア人はどっからわいてきているのか。
時のらせんブロックだし、多分に次元のはざまなのだろうが。


お相手はtwelve01100でお送りしました。
白黒トークン列伝【第四十八話】床下から/From Under the Floorboards
白黒トークン列伝【第四十八話】床下から/From Under the Floorboards
白黒トークン列伝【第四十八話】床下から/From Under the Floorboards
いつの間にか、こんなニッチなブログが10,000Hitである。

未だに信じられない。
平均すると、1記事につき200プレビューくらいになっている訳だ。
多謝多謝。みんな暇なんですね。


今回は記念に10,000体のトークンを出すカードの記事を書こうと思った。

……真っ先に思いついたのが蝗の神でガッカリした。
次に思いついたのがマラス、次がプローシュだ。
その次は、もう記事を書いた事のある荒野の確保/Secure the Wastesだった。

そこで苦し紛れに今回は、理論上10,000体を出せなくもないように見えるこのカードの出番だ。


話は変わるが、世の中にはシャドウデッキを「青黒スーサイド」というマイナーデッキだった頃から使っていた人がいる。
こういう人はトロンにも存在するし、禁止を受けて見捨てた人も多かったアミュレットコンボや感染もまだ死んでいない事を、大会結果などを見ていると感じる。アブザンミッドレンジなんかも近頃息を吹き返した。

どんなスタイルの人であろうと「最後までわからないのが野球」ってやつである。夏は、まだまだ暑い。
今回紹介するのは、その前者2つ。
つまり、ローグと言う名の物語だ。


そもそも最近、僕はカリタスやベナリア史の強さを再確認する過程で「2/2トークンの強さ」も同時に再確認し、wikiを通じて騎士トークンやゾンビトークンに「まだ見ぬ強カード」がいないかを検索していた。

とはいえ僕も実力はさておき、知識だけなら既にいくらかある。調査は難航し、まだ見ぬ強カードなど見つからないかに思え始めていた。
その矢先、よくEDHをやる知人のモダンでの使用デッキを思い出していた。
ディスカードギミックを多用するゾンビデッキである。僕はそれを思い出し、天啓を受けた。

2 墓所這い
2 墓所破り
4 精神病棟の訪問者
4 憑依された死体
2 グルマグのアンコウ

4 強迫
1 集団的蛮行
4 徹頭/徹尾
4 未練ある魂
4 ギサの召集

3 密輸人の回転翼機
1 血統の呼び出し
1 ゾンビの横行
4 無形の美徳

20 土地


床下から/From Under the Floorboardsは調整の結果抜けた(迫真)。
妥協案としてギサの召集を積むも、マッドネス3マナとか、はっきりいって無料でディスカードでもしない限り非常に新鮮で、非常に苦しい。。

種族も揃うしゾンビの横行は一見強いが、2枚捨てるのは結構しんどかった。
無形の美徳はぶっちゃけロードでも積んだ方が良いかもだったが、これは好みだ。
あー、でも除去も積みたいしどうすれバインダー…


お相手はtwelve01100でお送りしました。
白黒トークン列伝【第四十七話】町民の結集/Gather the Townsfolk
白黒トークン列伝【第四十七話】町民の結集/Gather the Townsfolk
白黒トークン列伝【第四十七話】町民の結集/Gather the Townsfolk
町民の結集は美しい。


闇の隆盛のコモンであり、やたら強そうな見た目の1/1トークン(画像3)を二体生成するソーサリーだ。
……なんか見た目が町民っていうか一揆みたいな雰囲気だ。

リミテッドでは人間シナジーを生んだり無形の美徳でパワーアップしたりする優良カードだが、構築戦ではだいたい急報/Raise the Alarmの下位互換である。
「窮地/Fateful hour」とかいう見慣れない能力を持っているが、気にする必要はない。条件を満たすときはたいてい死ぬときだからだ。

と言うのも、盤面を生物で埋め尽くすはずのトークンデッキでライフが5まで押し込まれている状況と言ったら、多分チャンプブロックごときではどうにもならない事態だからだ。
恐らく飛行やトランプル、火力呪文などで殺される寸前に見た、死に際の白昼夢のようなものだろう。
一応シャドウデッキなどのスーサイドするデッキで使用する事は可能には可能だ。実質2マナ5/5みたいな挙動になるので、案外悪くないかも知れない。


では、このカードは何に使われるのか?
……答えは、バゲット的な安価デッキである。

…もちろん、それも一つの正解ではある。
しかし一方で、トークンデッキの2マナ域はあまり強いやつがいないので、地上戦主体のスピード早めの白黒トークンならば出番があるかも知れない(というか、採用している人に会った事がある)。

僕個人としては早い構成の場合の2マナ域はベナリア史とも相性の良い調和者隊の聖騎士/Accorder Paladinをプッシュしたいが、単除去を嫌う人はこっちなのかも知れない。
もちろん、それでも急報の下位互換になりがちなので、5枚目以降の急報としての使い方がメインになるとは思う。
どうしても軍団の上陸/Legion’s Landingを3ターン目に反転させたい事情のある人ならば使えなくはないかも…(※1)

※1:これを利用して3ターン目に変身/Polymorphを撃ったら楽しそうに見える。強いかは知らない。


ちなみに「農民の結集/Rally the Peasants」というカードも、よりによって同じISDブロック内に存在する。
ISD次元は町民も農民も屋根職人も戦闘民族と化している。はっきりいってやべー人類だ。
町民の結集も農民の結集も共にパウパーではそこそこ使われており、ますます紛らわしい(※2)。

※2:ぶっちゃけ英語名はあまり似ていない。それよりも農民の結集は白でありながら赤の名コモン「ラッパの一吹き/Trumpet Blast」のほぼほぼ上位互換なのがヤバい。どういう事なの…

2つのカードを比較すると「自己犠牲心に駆られ命を張る町民」と「自分の手を汚さず最大限の結果を生む農民」という意外な農民のクレバーさが浮き彫りになる。
案外世の中こんな感じなのかも知れない。


お相手はtwelve01100でお送りしました。
白黒トークン列伝【外伝2】トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt
盆も過ぎたが今回も没ネタの供養回である。

メインボードで採用される事を夢見た者、構築戦で覇を称えんと野心に燃えた者、あるいは生まれる事無く死んでいた者……様々な名もなき勇者達の物語を今回も語っていくとしよう。

【notice!】
何かしらの理由でデッキの75枚に採用されなかったカードの特集である。
これらはあくまで「僕には使いこなせなかったカード」であり、他の人が使えば問題なく強い可能性はある。
読者諸兄の中にそんなのがいるかはわからないが、白黒トークンを使う者の構築の一助になれば幸いである。


・雲山羊のレインジャー
wikiによると、ローウィン期やモダン黎明期などの「原初の白黒トークン」で採用されていたという。
5マナという重さが激しくしんどく、下の能力を起動するとトークン一体ごとのダメージ効率が著しく低下する。
とはいえマナレシオは冷静に考えるとまあまあ良いし、いっぺん使ってみたくはある。
……降霊術デッキで使っちゃダメですかね。あれ、居住や無形の美徳と相性良さそうだし。

・戦争の報い、禍汰奇
EDHでジェネラルにしたくなるくらい格好良く、実用的。
モダンの白黒トークンイベントデッキに入っていた時期もあったが、近年ではディッチャの方が丸さで勝りそうに見える。
ランタンコンは気が変になって死ぬ…と見せかけて、そういう時に限って霊気格子で焼いてきそう。

・信義の神オケチラ
とても好きなキャラなので使いたいが「ギデオンで良いよね」ってなる…なった。
ぶっちゃけ顔がスナドリネコさんに似ている。

・ヴォルダーレンの下層民
裏面の絵が天野喜孝めいていて大好きだが、無料でディスカードしつつ黒トリプルを出す手段に恵まれず使いこなせなかった。
「3体サクって3体を除去」がモダンで強いかもちょっと疑問。

・エルドラージの碑
はっきりいって信じられないくらい強いが、コストとデメリットのせいでかなりのじゃじゃ馬である。
無形の美徳と合わさり一億玉砕を推奨するデスマシーンになる。

・真実の確信
コストが重い、はっきりわかんだね(真実の確信/True Conviction
↑これが一番正しい使い方のような気がする

いや、別に良い部分もあるのだが「二枚張りすると無意味」など弱点も多い。

・ベルゼンロック典礼
最近のカードの中で最も好きなものの一つだが、明らかに悠長。
出てくる生物がせめて1/1ならば色々な可能性があった(多くを望み過ぎか)。
本人やトークンの雰囲気出てる感じも含め、とにかく好き。でもぶっちゃけベナリア史で良い。

・オケチラの碑
多分趣旨が変わってくる。
なんか使い道はありそうだし、好きか嫌いかで言えば「愛してる」。


近頃はMTGをやる時間が作れず「こんなエアプ状態で本当に書いても良いのか」と不安になる。

ネタ切れはまだ心配はないが、ちゃんと推敲して書きたい気持ちもあり毎日更新とはいかなくなりそうである。
加えて、壊滅的な召喚について語りたい気持ちもムクムク湧いてきている。
ターニングポイントだろうか。


お相手はtwelve01100でお送りしました。
白黒トークン列伝【第四十六話】過酷な命の糧/Harsh Sustenance
白黒トークン列伝【第四十六話】過酷な命の糧/Harsh Sustenance
白黒トークン列伝【第四十六話】過酷な命の糧/Harsh Sustenance
過酷な命の糧は美しい。


変容する荒野は、それを見つけ出す術を知るものには避難所を提供する。
このFT及びイラストから想像するに、要するにこういう事をしているんだろうか(画像2,3)。(※0)

※0:よく見たら、呪いパワーで力を吸ってるのか。砂嵐から身を守ってるのかとばかり…

かつては主にスタンダードの白黒戦士、もしくは白黒絡みの同盟者デッキで活躍した一枚。どちらのデッキもカジュアル止まりだったため、知名度は激しく低い。
一応pauperで白系トークンを組む人にとっては知る人ぞ知る一枚。
リミテでも強力だが、いまさら運命再編のリミテなんかやる人がFORGE民以外にいるとも思えないのでどうでも良い知識である。


さて、このカードはモダンの白黒トークンでは貴重な「メインから罠橋をブチ抜く手段」の一つである。
とはいえもっと安定するのが苦渋の破棄であり、それよりも全局面的に強いのがハンデスではある。しかしながら苦渋の破棄はライフが危ないし、ハンデスは今引きに弱い。
もしかすると、このカードは一考に値するのではないだろうか……?


果たして、このカードのドレイン期待値はいくらなのだろうか。

3ターン目に撃つのは威力が低すぎるため論外だとして、例えばゲームを決めたい5ターン目。
もしそれまでの流れが「ハンデス→苦花→リンリン→同盟者ギデオン」だった場合、5ターン目にリンリンのFBとギデオンの能力(+1か±0)起動後に発射する事で、実に9点のドレインを行う事が出来る!?なんだこれは……たまげたなあ。
スケープシフトの18ダメージに割り込んで一発逆転とかも出来るじゃん。正直もっと弱いと思っていた。

とはいえ、これは押している場合の話だ。
劣勢に立たされていて盤面に1人か2人しかいない場合、全然こんな風にはならない。劣勢時に効果を発揮しないとか何のためのライフゲインだと言うのか。
加えて言うなら、これを採用しすぎたがためにトークンの生成が不十分になってしまったりパンプアップ手段が不足したりしても、それはそれで間抜けである。
せいぜい1枚差しの隠し玉ってトコだろうか。
総じて言えるのは扱い辛いという事だが、スロットさえあれば1枚くらい入れておくと逆転劇の立役者になる…かも知れない。アグロ戦とかなんかで(※1)。

※1:一応「any target」表記なのでPWを出落ちさせたりも出来る。


ちなみに忌呪の金切り声/Foul-Tongue Shriekとかいう、こいつ以上に「勝ってる時だけ強い」系インスタントもある。
こっちもドレインであり、コモンであり、タルキールブロックだ。
きっと当時のwotcのマイブームだったのだろう。


お相手はtwelve01100でお送りしました。
帰郷からの帰郷
数日、盆休みを利用して実家に帰省していた


妹と1年ぶりに会ったのでモダンのデッキ(※1)を渡し「このデッキを使い、お前がtwelve01100としてmtgをプレイするのだ(※2)」と提案するも、断られ逆にFGOを勧められる。

※1:内容については語る間でもないだろう。
※2:僕がうら若い独身のオタク女性であるという噂が広まれば、世間の僕への目も変わろうというモノである。

うーむ、人生はままならぬ。
女性説が流れれば当blogのヒット数など、簡単に5倍10倍が見込めるのだが……


注:(画像1)はただのイメージです
1:タンティスでデッキが組みたい

2:いくら好きなキャラとはいえ殴りジェネラルは飽きそうだな…

3:そういえば蝗の神で組みたいんだったな…

(中略)

5:サンボル12巻を購入


酔っていると思考の脱線にためらいがない
白黒トークン列伝【第四十五話】機を見た援軍/Timely Reinforcements
白黒トークン列伝【第四十五話】機を見た援軍/Timely Reinforcements
白黒トークン列伝【第四十五話】機を見た援軍/Timely Reinforcements
機を見た援軍は美しい。


神は常に親切ではないが、勇気ある敗残兵に対しては目をかけることもある。

FT含め「逆転要素」というモノの絶妙な所を攻めている。
いつでも勇気が道を切り開くとは限らないが、稀にこういうご都合主義的な事もあるのが人生なのだろうか。
ところで、(画像2)を見て欲しい…似てると思って貼ったけど、あんま似てないね。。

それにしても(画像3)のような兵士が3人も来るとなると心強い。
こいつ絶対モブの中では比較的強い部類のやつである。

バーン相手だと「ハンデス→集団的蛮行→これ」で実質試合終了みたいにする事も出来るくらい強力だ。相手が投了しないようなら次ターンは真面目ソリンも出してやると良い。
まあ、これは他のデッキにも何かしらの強さを発揮する集団的蛮行がヤバいという側面もあるが。
そこを掘り下げると今回の趣旨を外れるため閑話休題。

ちなみに「ハンデス→無形の美徳→これ」のルートだと、回復とブロッカーの生成で前線を押し返した上に6点クロックを獲得する。
伏兵部隊、今です。

6点回復+ブロッカーの生成なので結局は10点以上ライフを稼ぐ事もザラにある。
白黒トークンは序盤がひたすらモタモタなので、これはとっても強力だ。
頭蓋割りや呪文貫きにだけは注意しつつ、慎重かつ大胆にキャストしたい。


そしてこのカード、未練ある魂と同じく「印刷された当初からずっとモダンの第一線」とかいうやべーやつである。
まあ「あとちょっと生存出来れば」を非常に高いレベルで実現するカードなので当然といえば当然だが。

近年では「神聖な協力/Blessed Alliance」という役割が競合しかねないカードもあるが、それを差し引いてもいまなおモダンの強回復カードの一角である。
神聖な協力も集団的蛮行もこれも、回復プラスアルファの仕事をするのが圧倒的に偉い。

ちなみにTeamY’sの「このカードを使用しているデッキ」を参考にするなら
・白黒ポックス
・青白系コントロール(青白、トリコなど)
・アブザン
・白黒トークン
・ナイトフォール
・白入りスケープシフト(ナヤとか白日)
・メンター
・青白トロン
・エスパーゴースト
などなど、幅広いデッキで今日もキャストされ続けている。
特に、青白コンや白黒トークンなんかではメイン採用する人までいるほどだ(※1)。

※1:僕は身の回りのメタ的にメインでは採用したくない。予想外トロンやストーム相手にこれが通用するとは到底思えないからだ。
だからといってデッキ75枚の中から完全に抜くかと言うと、それはそれで迷う。

ちなみに「よく一緒に登録されるカード」はマナリークや未練ある魂など「主に青白コンや白黒トークン」感のある登録カードが多い。
あとは「忘却の輪」など当時のスタンダードのカードとおぼしきモノも並ぶ。

一方Dig.cardsの「このカードが使われているデッキリスト」では何故かトリココンだけが表示される。
あ…?あ……?何故だ……


お相手はtwelve01100でお送りしました。
白黒トークン列伝【第四十四話】太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion
白黒トークン列伝【第四十四話】太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion
白黒トークン列伝【第四十四話】太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion
太陽の勇者、エルズペスは……この際だから書いてしまうが、顔がちょっと野獣先輩に似ていると昔から思っていた。


「6マナのプレインズウォーカー」というフィニッシャー感のある雰囲気であり、実際に白黒トークンや青白コンのフィニッシャーである。

6マナのPWと言えば「秘宝探究者、ヴラスカ/Vraska, Relic Seeker」「炎呼び、チャンドラ/Chandra, Flamecaller」「死の宿敵、ソリン/Sorin, Grim Nemesis」などの スタン番長 ゲームを終わらせにかかる役割の存在であり、カードパワーの具現のような性能の人が多い。
その御多分に洩れず彼女もスタンダード当時からミッドレンジやコントロールの「KPゴリ押し係」の役割を一手に引き受けていた存在であり、マナコストの重い軽い抜きで考えるならトークン生成PWの最強格だ。
以下は各起動型能力の私見である。


・+1能力
なんかストームトルーパーみたいの(画像3)を3人呼び出す。
明らかに5マナの自分の-2能力だが、ガラクも5マナの時に「4マナの自分の-1能力」を+1として使っていたし、そんなもんである。

モダン世界は回避能力持ちの生物が少ないので、結構これだけでも盤面を窒息させる事が可能であり恐ろしい。
相手が飛行生物を持っていない限りは、ほとんど生物戦は支配したも同然だ。
攻撃にも当然活かせる訳であり、これを打ち続けるだけでゲームが終わる事は多い。

・-3能力
パワーが4以上の生物を破壊する。
要するにトークンデッキが苦手とする現実を砕くものとか難題の予見者とか、サイズの膨れ過ぎた部族アグロとかを一層出来る。
いつも堅実で細かい小技ばかりしている白黒トークンには珍しい、一発逆転の手段である。
撃ったあとペスが死亡する訳でもないので、これで盤面を綺麗な花火にしてから+1連打モードに移行していくのも、どの道強い。

・-7能力
自軍の全てがオーバーラン…いや、それどころかなんか離陸し始める。どういう事を表現した能力なのだろうか。
とにかくこれを起動しているからには盤面は兵士がまあまあいるだろうし、勝利は目前だ。


ご覧いただいたろうか。
とにかく「エルズペス!すごい!本当にすごいんだ!」というような性能であり、6マナPWの中では最強格だと思う(※1)。
その割に採用率は高くない。これは何故だろうか(※2)。

※1:EDHまで含めるなら僕は炎呼び、チャンドラ/Chandra, Flamecallerが一番好きだ。墓地も肥やす。
※2:青白コンでの採用率の低さの原因は簡単だ、もっと強いやつがいっぱい居るからだ。とんでもない話である。

あくまで個人的な感想だが、これは6マナという重さが関係していると思う。
6マナのカードをマナリークやリマンドされてしまうと、ちょっともうその勝負は無理くさいように思う。

あるいはアンフェアデッキ戦。
タップアウトして終えた6ターン目のあと、生存出来るだろうか?

6ターン目というのはもう「勝利を確定すべき時間」であり、本来ここでかかるべき楽曲は主題歌でも処刑用BGMでもなく、エンディングテーマなのだ。
例えば4マナの強いやつらを4ターン目に出せばそれが出来る。


まあそういうのを抜きにしてフェアデッキとの戦いだけを想定して運用する分には、単なるデラックス無敵将軍である。
ミッドレンジやアグロは圧死するに違いないし、コントロール相手でもハンデスから強引に通したり、相手の終了時に荒野の確保を打ち消させて明くる自分のターンに通すなどでやっていけば、相手は対処が不可能になり死ぬと思う。

昔見た太陽ペス採用型の白黒トークンデッキは土地が23枚とかいう、6マナのカードを使うデッキにしては一見意味不明なマナ基盤だったが、きっとこれは「戦いがグダグダの今引きバトルになった」時に流れを自分に向けるためなのだろう。


お相手はtwelve01100でお送りしました。
白黒トークン列伝【第四十三話】四肢切断/Dismember
白黒トークン列伝【第四十三話】四肢切断/Dismember
白黒トークン列伝【第四十三話】四肢切断/Dismember
四肢切断は美しい。…って書くとお耽美ちゃんみたいだな。


この野郎、死ねぇ!と叫びながら相手をバラバラにする恐るべき残虐殺法だ。レッドマンもビックリである。
黒の……いや、建前は止そう。全ての色で使える便利なマイナス修正のインスタントである。

その証拠に青単マーフォークやエルドラージ系アグロに採用されているし、ストンピィやエルフにも使われる事がある。彼らはバラルやスラムなど、とにかくカラデシュ人の肉体を引き裂いて殺す事が好きなようだ。

前回の流刑への道とは対照的に結構シャドウやタルモ、ワムコやタイタンを殺せない。(画像3)のような姿で生存された上に手痛い反撃を受ける事になるだろう。
とはいっても、白黒トークンにおいてはあまり気になる事ではない。タイタンはさておきシャドウやタルモなんかは回避能力がないため、苦花で終わりのないディフェンスを行う事が出来る。
デッキタイプ的に回避能力が付加されたりもあまりないだろう。バトルレイジは本当にやめてください、しんでしまいます。

「シャドウやタルモは平気」と書いたが、ワムコやタイタンを倒せないのは無視出来ない。
トロン戦はワムコで回復されてしまえば後続のやべーやつらや忘却石が間に合っちゃうし(※1)、タイタンを生かしておくと風景の変容がなくてもゲームがセットする。つまり死んでしまう。

※1:航空戦力で攻めるタイプならまだしも、急報やベナリア史で攻めるタイプの人は特に気にした方が良い。


また、相手によってはライフロスの点数も無視出来ないだろう。4点とか払ったがために死ぬ戦だってあるはずだ。もちろん、白黒デッキである以上マナを払ってキャストしても良いのだが。
とはいえ「そこまでして撃ちたい」時はキャストし、そうでないなら何ターンか後に撃つ、みたいに選べるだけですごい。潰瘍化とはなんだったのか。あと見栄え損ないもね。

状況にもよるが、ハンドにソリンや大天使の霊堂がある場合は「あとでライフは回収できるし」と決め打って早くからキャストする手もある。何回も同じ生物から殴られるよりはマシな時もあるはずだ。
マナクリとかホロウワンにはついつい打ちたくなる(ご利用は計画的に)。


お相手はtwelve01100でお送りしました。
白黒トークン列伝【第四十二話】流刑への道/Path to Exile
白黒トークン列伝【第四十二話】流刑への道/Path to Exile
白黒トークン列伝【第四十二話】流刑への道/Path to Exile
流刑への道は美しい。
いや、本当にイラストが美しい。通常版でさえ綺麗なのも良い。


ゲーム中での性能は、二フラムである。二フラム…ハマ…?…多分二フラムである。
汝の来たれるところへ帰れ…なんかこう考えると青でも出来そうな効果ではある。
二フラムは効かない相手が多く信頼性が怪しいが、流刑への道はウラモグだろうがボーラスだろうが法務官だろうが追放される。エムラには通用しない(※1)。

※1:だからエムラが最強なのかと言うと、こやつもデイジャとかで死ぬため一概には言えない。

おおよそスケープシフトかノンクリーチャー以外のほとんどのデッキに有効だ。
(こんな分析をするくらいにはモダンも生物戦のゲームなのだろう)
他の除去では対処が困難なホロウワン、アンコウ、ワムコ、タルモやシャドウ辺りもSATUGAIしてくれる。もちろん、最後2人はプッシュで殺した方が気持ち良いが(※2)。

※2:一時は値段が1万円を超えた生物を蹴っ飛ばして殺すなんて喜びで胸が張り裂けそうだ。神ジェイスをヤクザキックで殺すスペルも出て欲しい。

一方、裁き人や白蘭でごまかせはするが「相手の盤面に土地を与える」というのは、まあまあなデメリットにはなり得る。スケープシフト戦ならほとんど自殺だし、そうでなくても相手のテンポを加速させデッキを圧縮する。
短期決戦にしてしまえば何も関係のない話だが、白黒トークンの速さ的に無関係ではない話だ。

近年は5c人間などの影響もあり、単除去が価値を持つ時代が欠片の双子時代以来、ふたたび訪れつつある。
例えばホロウワン戦などでは大型生物などをBAN出来て優秀だ。パス2枚あるからキープしよう…えっ、燃え立つ調査ですか?(ディスカードされる)

ちなみに、使う機会がある知識かわからないが相手のデッキトップをシャッフルする事も出来る。…えっ、探さないんですか?(サーチは任意だ)

とはいえ単除去の中でも屈指の対応範囲を持つ最強の除去の一つだし、土地が止まっちゃった時や自ライブラリをシャッフルしたい際にも使えるので、器用に使っていきたいものだ。


お相手はtwelve01100でお送りしました。
白黒トークン列伝【第四十一話】解呪/Disenchant
白黒トークン列伝【第四十一話】解呪/Disenchant
白黒トークン列伝【第四十一話】解呪/Disenchant
解呪は美しい。


オーラや結界、呪いなどを神聖なる力で破壊する白のインスタント。……と見せかけて、イラストはなんだか物品を破砕している事が多い。
まあドラクエの呪いのアイテムとかも呪いを解くと砕け散るし、なんかそういうアレである。除霊…とはちょっと違うか(※1)。

※1:だが緊急の除霊/Urgent Exorcismはエンチャントを割れる。

絵は個人的にはウルザが一番好きだ。
イラスト中で破壊されているのは……なんなんすかこれ(画像1)。
これはきっとネビ盤だろう(画像2)、じゃなきゃ石臼。これは…エイジャの赤石?(画像3)


効果のテキストだけで比較するなら隔離する成長/Sundering Growthが完全上位互換的なアトモスフィアを放っているが、実際「何を割りたいのか」で考えると状況は変わってくる。

僕の近所のメタでは一番割りたいのは血染めの月/Blood Moonだ。
赤白コンやグルールミッドレンジ、ランデスデッキなどの「メイン月採用勢」さえ少なからず存在し、よく対戦する知人の中にも1人はメイン月勢が居る。

何が言いたいのかと言うと…白黒トークンは、白マナも黒マナもたくさん必要になるデッキだ。案外基本土地率は低い、月を受ければジ・エンドという事もあり得る。
この時に平地を事前に2個出しておくのは案外困難であり、やっぱり月対策としてはどうしても隔離する成長より解呪の方に軍配が上がる。
もちろん断片化/Fragmentizeも相当強いが「月の着地前にマナを出して、月が着地した瞬間割る」という挙動が出来るインスタントだと、更に良いように感じる。

これは相手が広がりゆく海を使ってきた場合も同じであり、海を受けたがために隔離する成長を打てない事は多い(※2)。

※2:だが海を使うデッキほど割りたい物がまあまあある。バイアルを割りたいし海があるとアンブロックになるマーフォークや、マインを割りたい相手のエターナルブルーなどだ。

以上の事から、いかなる場合でも置物割りはディッチャがナンバーワンなのだ!




えっ、チャリスx=2……?

どの文明にも縁起の悪い数字はある。
一人でいるか、群衆の中か、さもなくば後ろから不意打ちされるかって都市に住んでいるなら、最悪の数字は二ってことになる。


お相手はtwelve01100でお送りしました。

1 2 3 4 5 6

 

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

この日記について

日記内を検索