白黒トークン列伝【第九話】オーリオックのチャンピオン/Auriok Champion
白黒トークン列伝【第九話】オーリオックのチャンピオン/Auriok Champion
白黒トークン列伝【第九話】オーリオックのチャンピオン/Auriok Champion
オーリオックのチャンピオンは…昔のイラストの方が美しい(※1)。

※1:個人の感想です。


基本セット2019はトークンの民にとって失うものはあれど得るもののないセットだった(※2)。

それは別に良い。
世間のデッキが新パーツを得てパワーアッポしようとダウンしようと、これまで通りの鍛錬を続け、使用デッキがメタ的に弱くてもめげず(※3)、これまで通りにやるだけである。

※2:個人の感想です。ただ、フルスポを見て僕は画像3みたいになりました。
   主に安全の護符の感想です。

※3:ギルティギアの某弱キャラの使い手が「闇慈が弱いんじゃない、俺が弱いだけだ」とコメントしていたのを僕は忘れない。
   ちなみにその後「闇慈は欠陥デザイン」とか公式がコメントしキャラそのものを削除した事も、僕は死んでも忘れない。


さて、今回も「かつてド定番だった白黒トークンのパーツ」回である。

本当にオーリオックのチャンピオンは、状況によっては無敵の強さである。
「ガイドや速槍を延々キャッチしながら苦花のデメリットを帳消しにし続ける」とか、「機を見た援軍で9点回復」とか、赤いデッキの人の精神が破壊されそうなえげつない行為を、いともトゥーイージーに行う。

一方で、忘れてはいけないのが「白黒トークンの苦手デッキにはトロンやスケープシフトがある」という事だ。
ただでさえ厳しい上に時間的猶予の少ないこいつらとの戦いに、2マナダブシンの1/1を置いている暇は多分ない。

これらの理由から、昔はメイン安定とか言われた時期もちょっとあったが、今ではサイドが無難なように見える。
良く行くお店のメタ、世間のメタなんかと相談して運用を考えていきたい。
僕はメインに使う事を諦めたとたん、機を見た援軍の方が丸いため75枚の中から最近は抜けてしまった(※4)。

※4:そして、機を見た援軍の発射に合わせて頭蓋割りやスペルピアスを叩き込まれて死んでいる。

近年ではライフゲイン生物を入れるにしてもアモンケット出身のニューカマー、「俺自身がトークンになる事だ」で有名な選定の司祭/Anointer Priestを採用する人もいると聞いている。

不朽コストは4と馬鹿にならない重さだが、まあ「やれたらやる」くらいで良いのだろう、多分。
本当にアモンケット次元はトークンフリークに色々な夢や希望を残した。
オケチラの碑デッキをモダン用に改良する作業も楽しかった(※5)。

※5:だが、ぶっちゃけあんま強くない…というか貴族の教主から2ターン目に置きでもしない限り弱いし「初手貴族の教主なんかやるならバントスピリットかエルドラージでも組んでろ」ってなる…なった。。


話は今回も脱線しまくったが、なんにせよ今でも強さは変わってないと僕は考えている。値段は再録で下がっている側面が大きいでしょうし。
相手がタルモゴイフで突進してきたり、赤でも黒でもない除去を打ってきた場合は悲しみを背負うが、今でもライフゲインの世界の中心は白のダブルシンボルの中にある。
白黒トークンは2マナ域の構成に使い手のセンスが問われる、常に選択肢として心に留めておきたい。


お相手はtwelve01100でお送りしました。


【追記】
「基本セットでトークン民は何も得なかった」と書いたが、赤白マルチのアレはマルドゥでもしかして…いや、4マナのあんなの入らないか。。、
白黒トークン列伝【第八話】盲信的迫害/Zealous Persecution
最も絶望的な戦の時、トークンの民には最後に歌う歌がある。


絶望と悲しみの海から それは生まれ出る。
インスタントものの全体強化の中で最も有名かつ強力な部類の一つである。

このスペルが最も効果を発揮するのはテキストのパッと見からもわかる通りクリーチャー戦のさなかである。相手の盤面が空っぽの場合は単なる+1/+1に過ぎず「突撃/Chargeで良いじゃん」となってしまうが、相手クリーチャーと交戦している時にキャストする分には実質+2/+2相当である。

と言うか実際の使用感は単なる+2/+2以上であり、例えば通常ならばブロックもままならない軍勢の忠節者を一方的にザマァしたり出来る。
耐アグロ性能はまあまああると思って良い。感染にも通用するし、先手ならもしかしてマナクリを殺すのに使う可能性もある。

だが、最近まで僕はこのカードはメインもサイドも使用数0枚だった。強さが結構メタゲームに依存しているのだ。
一昨年くらいまで近所のメタゲームは大袈裟に言って「コンボ6割、コントロール3割」とかくらいの異常な数値であり、盲信的迫害の役割はせいぜい「機を見た援軍のトークンを殺しながらバンプアップ」程度に過ぎなかった(※1)。

※1:それでも刃砦の英雄とスケシの強情なベイロスが鉢合わせした時など、ごくまれに活躍はしていた。

それから色々あって行く店を変えたところ、そっちはアグロ環境だったので活躍は八面六臂状態になった。
中でも便利さを感じたのは前述した軍勢の忠節者を擁するゴブリン戦、そしてサイズでとにかく圧倒されるマーフォーク戦(※2)だ。

※2:数年に1回くらいしか出くわさないが、ごくまれに遭遇するスリヴァーデッキと戦う時もサイズ差は大きな課題になる。とはいえキャントリがおらず島渡りもしてこないため、魚よりはわずかにマシだ。

とにかく今までも書いてきたがマーフォーク戦はひたすら苦しい(※3)ので、サイズ差だけでも少し埋められるのは嬉しい。とりあえず急報やこれなどによる「突然のブロック」でロードを1-2人殺害して、いくらかでも盤面を有利にしたい所だ。

※3:サイズ=えてして圧倒される。多勢によるブロック=島渡りで出来なくなる。苦し紛れのインスタント=捕らえやピアスに防がれ間に合わない。


お相手はtwelve01100でお送りしました。
白黒トークン列伝【第七話】遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant
白黒トークン列伝【第七話】遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant
遍歴の騎士、エルズペスはかつて誰も並ぶ者のない高みに、ただ一人存在していた。


初出はアラーラ。
この日記をご覧のトークンフリークならばご存知かも知れないが、白黒トークンをテーマにした「Modern Event Deck」にも唯一のプレインズウォーカー枠として収録されている。

だが「並ぶ者のない高み」とはその事ではない。
彼女は振り返ってみるに、ギデオンやソリンがトークンを生成し始めるよりも前からトークン生成のプレインズウォーカーとして存在していた(※1)。

※1:今や産む機械みたいになってしまったギデ×ソリンだが、二人とも初出時は自力で戦うバトルマスターである。

ゲーム中での性能はどうかと言えば、案外非の打ち所のない性能はしている。能力の上2つがどっちも+なのも偉い。
「それでは何故使われないのか」と言えば、「ザ・ただつよ」の同盟者ギデオンとマナコストが同じだったり、6マナの自分自身が天下無敵だったりするからである。
だから別に弱いとは思わない…けど、仮に真面目ソリンも太陽ペスも同盟者ギデオンも世の中に存在しなかったとして、僕は君主ソリンを使ったかも知れない。いや、これは好みの問題だが。

ちなみに5マナペスは大マイナスで無形の美徳を壊すトンチキなので、持ってるけどほとんど使った事はない。


色々使わない理由ばかりを書いたが、使えば使ったでもちろん割と強い。
以前僕は同型戦(※2)の最中に「互いに苦花、ギデオン、ソリンが並び両者互角のまま消耗戦へ突入」とかいう、よっぽどのトークン好きでない限りは悪い夢のような盤面の際に遍歴ペスを出され「やりますねぇ!」とうなった事がある。
定番のやつらを投入した上で更にもう一品欲しい時に強力な一枚だ。って書くと冷凍食品みたいだな。

※2:奇跡の瞬間である。ストⅢのトゥエルヴ同型戦よりもカルドセプトセカンドのフルバーン同型戦よりも白熱した、さながら遊園地のような時間だった。

いずれにしても真面目ソリンさえいなかった時代の古のトークンデッキでは4番打者だった事は疑いがなく、僕はペスへのリスペクトを今でも忘れていない。



でも、何故か先日某ショップで2,000超で売っていたから恐る恐る査定に出したところ、買取が1,000超で……もう使わねーだろとも思うし…いや、今でもリスペクトはしているのだが、うん。いや、本当にね。
あー…いや、今は偶然一枚も持ってないんだけどね。
売った結果、ね。


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白黒トークン列伝【第六話】幽体の行列/Spectral Procession
白黒トークン列伝【第六話】幽体の行列/Spectral Procession
白黒トークン列伝【第六話】幽体の行列/Spectral Procession
幽体の行列は美しい。


白ウィニーの精神が形になったようなカードだと、デッキに入れなくなった今でも僕は感じている。

「では現代の白黒トークンでは役立たずなのか」と思われる方もいらっしゃるかも知れないが、たまにネットなどで見かけるリスト等を見た体感では使っているプレイヤーの方が多数派だと感じている。
ただ、ちょっと2色のデッキでさえ扱い辛さを感じるほどにはこのカードは崇高なのだ。

実質トリプルシンボル。
すなわち、3ターン目に打つためにはその間一回も「沼」や「大天使の霊堂」をセットする事は許されない。
かと言って4マナで打てばカードパワー不足。これは難しい。
しかも、かつて僕はこの潔癖すぎて扱いに困るソーサリーを4積みし、ヴェールのリリアナも2-3枚搭載していた。あまりにマナ基盤が厳し過ぎる。
しかも1ターン目は絶対ハンデスからスタートなのだ。

だが、パターンに入った時の強さはトークン生成カード史上最強なのは疑う余地もない。
「3マナで3体も生成し、しかも回避能力もある」なんて生成レシオのカードは他に例がない。
アンセムが1枚場にあれば実質「3マナ6/6飛行」、2枚あれば「3マナ9/9飛行」である(※1)。
「アンセムや盲信的迫害等の効率をいかに最大化出来るか」は白黒トークンの打点における究極のテーマだろう(※2)。

※1:アンセムを0マナで置けているのでもない限りは、これは全くの詭弁である。
   何が言いたいのかと言うと「やっぱり弱者の力線は最高!」という事だ。

※2:赤系トークンデッキの場合は僧院の速槍、鋳造所通りの住人、地獄乗りやガルガドン、あるいは火力呪文とか「誰か」が勝手に仕事をしてくれる。
   白黒トークンは本当にトークンによる打点以外何のやり方もないのだ。

ちなみに本当にただの悪あがきだが、このカードは全部不特定マナで支払って唱える事も出来なくはない。
全ての土地が広がりゆく海と血染めの月で変化させられてしまった際には活用していきたい知識だ。
その状態で勝てるかはわからないが。

前述した通り僕は現在デッキに入れてはいないが、恐らくトークンを生成するカードの中では未練ある魂と苦花に続いて3番目くらいに強いようには見える(※3)。
デュエルデッキ版のイラストやエキスパンションシンボルが好きだし、機会さえあればいつかこのカードと共に再び戦場を駆け抜けたい。

※3:ぶっちゃけると3番目に強いのは荒野の確保かも知れず、また同盟者ギデオンかも知れない。簡単には断言出来ない。
   ちなみにモダン以外を考慮に入れて良いのならば金切るときの声も相当な強さだ。
   しかも僕は鳥トークンがトークンの中で一番好きだ。2番目は人間トークンだ。

お相手はtwelve01100でお送りしました。
白黒トークン列伝【第五話】軍団の上陸/Legion’s Landing
白黒トークン列伝【第五話】軍団の上陸/Legion’s Landing
白黒トークン列伝【第五話】軍団の上陸/Legion’s Landing
軍団の上陸は…最近では一番「パッと見で判断しちゃ駄目だな」と感じた。


別にスタンダードの記事ではない、モダンフォーマットについてである。
実を言うと僕は最初「スタンでしか使わんだろ1マナ1/1なんか」と決めつけていた事もあり、買取500だか700の時に一気呵成に売っぱらってワッショイしていた。
ああ^〜100で買ったものを何倍もする額で売るのはたまらねぇぜ。快感である。

だが、やつは案外幾度となく僕の命を救った。僕は彼を一度は売ったのに、助けてくれたんだ。
ちょっとシミュレートしたあと、強さに気付いて買い直したりした。
売った金額と同じ金額くらいで買えて良かったが、買い直すまでに案外手間や時間を要した。

あまり知られていない話だが、このカードは「1マナのトークン生成カード」という超せまーい範囲の中で言うなら最強格だ(※1)。
こいつの存在により「白黒トークンの1マナ域はハンデスか除去しかない」という悪い流れは崩れ、マナカーブはダイエットされた。

※1:知らないだけで他にも強いのがあるかも知れない。ちなみに僕が一番好きな1マナのトークンを生むカードは膨れ鞘/Blisterpodだ。スタン落ち後は一回も使ってないが。

しかも、それでいて軍団の上陸は土地でもあるのだ。便利。
土地21のデッキでシェフェトの砂丘を使いこなす手掛かりになった。
以下は例によって当カードの強さ弱さ比較である。

【主な強さ】
・最速3ターン目に4つ目の土地が場に現れる。
 つまり3ターン目にして「無形の美徳+盲信的迫害」とか「急報2枚」とか「ハンデスからの未練ある魂」とか「苦花+2マナ生物」とか色々出来る。
 可能性は無限大。君だけのアクションを決めろ!(それが強いとは言ってない)
・変身後は苦花とも違う軸からの「毎ターンわいてくるトークン」が出来る。
・1ターン目から絆魂ってだけでも楽しいのに、変身後は回復役を次々吐き出し続け「ソリンと大天使の霊堂に加えて更に駄目押しのメインボードのライフゲイン」みたいな事をする。

【主な弱さ】
・せっかく相手の単除去を腐らせれるのがトークンデッキの強みなのに、単除去に「アダントの変身を妨害する」とかいう役目を与えてしまう。
・表も裏も生成数自体は少ないので、1枚のアンセムも場にないなら本当に戦いの行く末に関係ない存在になる。
・せっかく変身後は長期戦向けの姿になるのに、一見して一番効く相手に思えるコントロールは広がりゆく海や廃墟の地で一番砦アダントを楽々対処する事が出来る。


以前の記事では「苦花しかアド装置がない」みたいに書いたが、こうして見ると案外に一番砦アダントもアド装置なのかも知れない。元が1マナなせいもあり、そこまで無敵に強くはないが。
それに「すぐ広がりゆく海や廃墟の地を食らう」という弱点も、大天使の霊堂を守る避雷針と考えれなくも…いや、そこはアダントの方に生き延びて欲しいよな。。
まあ4積みしておいて「海を食らったら即座に第二の一番砦を建設」という流れに往々にしてなるから別に良いっちゃー良い。
なんか「第二の一番砦」って言葉としてヘンだけどね。

近頃で言えば「ケルドの炎(※2)」とかもそうだが、案外新セットのカードも侮れないものだ。
wotcは今後もこういう「いぶし銀」みたいのを頑張って作って欲しい。

※2:僕はゴブリンめいた「赤単トークン」というデッキも使っているのだが、Ⅲの能力がぶっちぎりで横並び戦略に合っており結構侮れない。「こんなキルターン遅める置物は要らん」とか言って食わず嫌いをしなければ良かったと思っている。
まあ調整したら最終的には抜けるかも知れないが。
白黒トークン列伝【第四話】苦花/Bitterblossom
白黒トークン列伝【第四話】苦花/Bitterblossom
白黒トークン列伝【第四話】苦花/Bitterblossom
苦花はとにかくモーニングタイド絵のトークンの収集が難しい。
苦花は…案外素直に強くて語るべきことが少ない。

第4話にしてようやく有名なカードの登場である。
モダンフォーマット発足当初はこのカードが使えなかったが、2014年に解禁される。
当時は禁じられた強大な闇の力が我が物になる快感に酔いしれたものである。
だが、言ってみれば苦花も神ジェイスのような「強いには強いけど値段ばっかり高くて、もう一人の禁止解除勢(※1)の方が強い」みたいな奴ではあった。

※1:この時一緒に釈放されたのがナカティルである


さて、もちろんこのカードの性能を最大限に発揮する事が出来る1番のデッキは……フェアリーである。。
2番は…昂揚である。。
3番目くらいなら、白黒トークンだとは思う。
いや、昂揚よりは上手く使えてるのかなあ。

とにかく最初に書いた通り「強くてデッキの方向性に合っているので語れる事が逆に少ない」のだが、未練ある魂よりは癖がある分語れるかも知れない。
長所と短所について分析してみよう。

【長所】無限に妖精が出てくる
突然の衰微でも来ない限りは無限に生物がわき続ける。
これは要するに2マナのPWみたいなものであり、2マナのアド装置の中では最強格の挙動だと思う。
これは除去耐性であり終わりのないディフェンスであり、小型の同盟者ギデオンである。しかも飛んでる。

【短所】ライフが減っていく、1ターンに1体しか出てこない
せっかく上記したように強さのカタマリなのに、この短所が何もかも台無しにしている。
最速3ターンで自分か相手が死ぬモダンフォーマットでは、せっかくの長所を発揮する前にゲームが終わる場合さえ多々あるのだ。


こうやって改めて分析してみると、かなり環境に合っていない感はある。
ただでさえ苦手なスケープシフト戦とかでも「ライフが18を切ってしまったせいで1ターン早く殺されてしまった!」とかが割とある。
まあ思考囲いやショックイン等でどの道18点切る事は多いけど。。

では、なぜ僕はこのカードを採用し続けているのだろう。
……ええと、ぶっちゃけ好きだからである。

というのも当然あるのだが、言い訳するとフェアデッキやシャドウには滅法強い。フェアデッキ戦はアド取り合戦みたいな所あるし。
ライフが減るから「頭蓋囲いを付けた勇者で10点パンチ」とかで逆転される可能性はあるものの、回避能力に乏しい親和とかにも割と効く。

強い部分だけ話しても良くないので「どういう時弱いか」を話しておくと、一番危険なのはトランプルや鉄葉のチャンピオンみたいな「飛行でない回避能力」だ。
トランプルでさえ「5-6体で強引にブロック」とかが通用するが、広がりゆく海からの島渡りおさかな軍団フルアタックみたいのは、防ぐ手立てがなくもっとも苦手である。もっとも、それはデッキ全体の弱点でもあるのだが。

そう、せっかくだからこの記事でついでに語ってしまうが、「突破されちゃう」というパターンこそが一見無限に相手をブロック出来るかに見える白黒トークン最大の弱点の一つであるため、一時期僕は「サイド後は苦花を崇拝2枚の機を見た援軍2枚と差し替え」というのをアグロ戦の定石にしていた。
とにかくライフが1点でも惜しかったし、崇拝は苦花を抜いてでも入れるべき無敵さに見えていたのだ。
しかし、崇拝の無敵バリアーにもいくつかの穴が存在していた。

1,無形の美徳や苦花を割ろうと相手がサイドインしたエンチャ割りで「ついでに」対処されてしまう
2,相手がゲイン対策で「とりあえず」入れた頭蓋割りで対処されてしまう
3,相手が「よくわからんけどこれかな」と入れてきた呪文貫きや残響する真実で対処されてしまう
4,群れのシャーマンなどのライフロスで普通に死ぬ
5,ウラモグが3回突進してくる
6,苦花が抜けたためトークン生成が上手くいかず、せっかく崇拝を貼ってガードするも勝ちきれず逆転されてしまう

だいたいこんなだったかな…他にも穴はあったかも。
とにかく一番ヤバいのは、対戦相手は割と高い確率で「崇拝を読めてないにも関わらず対処出来る」という事だ。
これなら、普通に打点にもなれて防御も得意なブリマーズでも入れていた方が強い。
「邪魔だけでは勝てない」という先日書いた理論の根拠をまたしても補強してしまったかも知れない。


一番最初に「素直に強い」と書いたが、上記してきたように強いながらも沢山のメリットとデメリットが併存している事が分かっていただけたかと思う。
そのためか、はたまた強さの割には値が張るからか、苦花を採用していない白黒トークンのリストも僕はいくつも見てきている(※2)。
しかしながら僕は、苦花が今までもこれからもきっと一番好きなカードの一つであり続けるだろう。

※2:特に「清浄の名誉」なんかを使う場合はかなり要らない感あるし、そうでなくても「出たターンは何もしない」のを嫌う人もいるのだろう。


それはそうと、このカードのトークンはマスターズ版の格好良くない絵の方でさえまあまあ高い。
以前「デッキ内の全トークンをシャドウボックスにする」という野望に燃えた事がちょっとだけあったのだが、苦花トークンの値段と希少性のせいで断念した部分はある。

だが、まあ断念して良かったのかも知れない。
こんなに美しいカードは刃物で切ってはいけない気もするし。
白黒トークン列伝【第三話】急報/Raise the Alarm
白黒トークン列伝【第三話】急報/Raise the Alarm
急報は帯に短く襷に長い。
身も蓋もない言い方をするなら「ちょっと除去体制のある2マナ2/2瞬速」である。

「前回はアンセムが設置されてる前提で話していた癖に今回はない想定なのか」とか思われるかも知れない。
しかし、トークンデッキも分類上はビートダウンだ。
攻めるにも守るにも、ほとんどの場合「展開→アンセムやソリン」の流れを取る事になる。

逆の順にするシチュエーションもあるかも知れないが、この順で行動するよう心掛けないと盤面が長くお留守になる事になる。
たまにせざるを得なくてやるけど「ハンデス→無形の美徳」とか「タップイン→苦花」とかやってると「その間に相手は手札のガイドや炎樹族を全部出してきて、もう残りライフは5だしブロッカーは1人か2人」とかの状況に押し込まれる事が全然あり得る。荒野の確保とか打てる終盤と違い序盤戦は忙しいのだ。
いま挙げたのはバーンやゴブリン、ブリッツだが、魚や人間はバイアルから沢山出てくるし、エルフも素で出てくる。

こうなった時、コンボデッキは強引なコンボ成立で逆転勝利の目だってあるかも知れない。
コントロールだって「トップが終末でした」とかがある、ミッドレンジやアグロだってなんかその…なんかあるかも知れない。
だが、昔「黒に奇跡はない」なんて言葉があったが、それと同じようなもので「白黒トークンに奇跡はない」。
今引きして逆転に繋がるカードがソリンとかぐらいしかないし、それだって劣勢過ぎる場合は逆転に繋がらない。
説明が長くなり過ぎたが、とにかく以上の理由から白黒トークンであろうとも序盤から盤面に触っていく必要はあるのだ(※1)。

※1:除去マシマシな構成にする事で「序盤から盤面に触る」形にしている人もいる。多分それも正しいのではないかと思う。
では何故僕がそうしないかと言うと「プッシュを握りしめながらホロウワンに腹筋ボコボコにされる」とか「流刑への道を握りしめながらタイタンシフトに顔パンされる」とか「苦渋の破棄を握りしめながら速槍にルガーランスされる」とか色々な経験から学んだからだ。
これらの経験から僕は「とりあえず打点や勢いでワーッと勝ちに行くハンデスビートみたいのが一番丸い」という大雑把な解答に現段階では辿り着いている。

とにかく、話を戻すと「急報は苦花が手札にでもない限りはだいたい最速で打つ」みたいになりがちである。
早く相手ライフを0にしたい際もそうだし、相手生物から自分を守りたい場合も、大体そうなる気はする。
しかし他のデッキの2ターン目のアクションを考えてみて欲しい、タルモゴイフやバラル(※2)、広がりゆく海や守護者サリアなんかが出てくるのだ。たまにゴリラ追放から月を置いてくる人もいるよね。
圧倒的に弱い。ちょっとこれは酷い。2ターン目に打つからには無形の美徳なんか場に出てない。

※2:冷静に考えてみたら、よほど自信マンマンでない限り2ターン目にバラルは置かないかも知れない。適当を言うものではない。

そこで他の2マナの採用を考えてみるのだが、浮かんで来るのは生物系カードばかり。
白黒トークンの強みの一つに「相手の単除去を腐らせる」という狙いもあるのに、2マナを生物多めにしてしまうとそこが瓦解してしまう。
では逆にトークン生成呪文で考えていくと「急報、町民の結集、霊気装置の展示、秘密の備蓄品」とかレベルしかない。
ええと、要するに…「弱いけど何枚かは使う他ない」のだ。テフェリーと神ジェイスのどっち使うか迷ってるようなデッキさえ居るような、この時代の中の中で。

そこで僕は真剣に迷いまくった末に「弱者の力線」とかいう怪しげな秘密兵器に辿り着いた。これで多少は急報も強くなる。
しかも弱者の力線はモダンでほぼ使う人などいないので奇襲効果も高く、また、このカードのお陰で弱かった「軍団の上陸」がようやくモダン級のパワーになったり等の副次的効果もあった。
ここらもいつか触れるかも知れない。閑話休題。


それはそうと、このカードは初出時はトークンが珍しいやつなのだ。
画像2を見て欲しい、これが急報が印刷された時代の……ん、これオンスロートのカードだったのか!!
Forge(※3)のせいで勘違いしていた。。
やっぱこういう日記を書いてみるものだ、毎回勉強になる事がある。

※3:アメリカの有志だかが作った同人フリーゲーである。無料だしバグも少ないよ。


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白黒トークン列伝【第二話】荒野の確保/Secure the Wastes
白黒トークン列伝【第二話】荒野の確保/Secure the Wastes
白黒トークン列伝【第二話】荒野の確保/Secure the Wastes
第二回になる今夜は、ちゃんと今でもデッキに入っているカードである。


荒野の確保は頼もしい。

イラストも良い。なんか天竺とか目指してそうだ。
漫画の「それまでの旅で出会ったゲストキャラ達が、最終話付近でおおぜい助けに来てくれたシーン」みたいな趣もある。
味方の少ない人生を送ってきた僕のような人間には、前回の高まる献身と並び胸が熱くなるカードだ。

……なんかでも記事を書くに際し改めて見てみたら、こいつら結構死んだ目をしてるな。
よく見なきゃ良かった。(画像1)

さておき、トークンのイラストも好きだった。
なんか竹中直人みたいのが沢山わいていく様は、さながら戦いの太閤記と言ったところ(画像2)……ん?

初めて知った。
荒野の確保のトークンって、こっちのこいつなのか!(画像3、エキスパンションマークから推察)
また一つ賢くなれた。こういう自己満足のための日記も書いてみる物である。
でもイラストが好きなので今後も場に出すトークンは画像2の方にしよう。能力同じだから良いでしょう、多分。


戦略記事的な事を言うなら、荒野の確保は案外に多機能だ。
インスタントのX呪文である性質上、以下のような効果が期待できる。

1,突然打点を増やす
盲信的迫害(※1)程の奇襲性はないが、モダンではトークンズとコントロール使いの中でもごく一部の人が使うのみなので、所見では読まれない事は多い。
白黒トークン界では貴重な「間延びした戦いの中で今引きしても強いカード」なのも良い。

※1:昨日の記事で漢字を間違えてたな。猛省。


2,突然ブロッカーになる
アンセムの一つでもあれば、相手の生物をまあまあな数打ち取ってくれる。
X=3以上なら、だいたい相手の戦力を削ぐ役には立つのではないだろうか。
アンセム1個のX=3と仮定して「メロウの騎兵、アトランティスの王、銀エラ」みたいな3馬鹿が攻め込んできても、ロード2人くらいをころころする事が出来る。
とはいえ過信は禁物、サイド後はピアスやトゥルースで弾き飛ばされる事は多い。


3,ラスゴやアンガーへの反撃に
神々の憤怒や至高の評決なんかは、相手がメインかサイドに入れていれば絶対最低でも1回は食らう。
そんな時に急報もリカバリーの役には立つし、苦花やリンリンも当然強い。
無私の霊魂や精霊への挑戦なんかのテも当然ある。ダメージ除去だけを防ぐなら忌の一掃とかいう変わり種もあり、それぞれの良さがある。

でも瞬速で出てきたパワー2くらいの生物達がラスゴ等の返しのターンに速攻生物めいたパンチを叩き込む挙動は、実にエキサイティングである。
相手が「覚悟しろ」とアンガーを打ったなら、「覚悟するのは…お前の方だーッ!」とか言ってキャストしてやると良い。
僕は昔、苦手デッキのスケープシフトと戦う羽目になった草の根大会の決勝の席で、これを決めて優勝した事がある。要するに過去の栄光だ。


一方で弱点も少なくない。
特に前回も書いた通り土地を21枚に減量して以降は「マナが伸びない」などの理由から、デッキ75枚の中から完全に外した時さえあった。
まあ一番砦アダントのお陰で土地21枚にしては土地は伸びるが。
また、フェアデッキと戦うならアドを取れるようにPW(※2)が優先される場合も多い。
地域などのメタゲームに応じて同盟者ギデオン等と差し替えるなど、今よりも使いこなせるようになりたい一枚だ。

※2:同盟者ギデオンや遍歴ペス等である。彼らの記事もいつか書く日が来るだろう。


お相手はtwelve01100でお送りしました。
白黒トークン列伝【第一話】高まる献身/Increasing Devotion
・最近MTGをやる上で自己満足が足りていない
・僕はそもそも一日一枚系のブログが大好きだ

以上の観点から、モチベーションの維持のために白黒トークンのカードを1枚ずつ紹介していく日記を書くという試み。
「一日一更新」と明記しないのがジャスティス、自己の満足のための行いにルールを設定したくないのだ。
それでは、第一回は「高まる献身/Increasing Devotion」。


高まる献身は美しい。

このカードに限らない。
イニストラードの白のカードは熱い黄金の精神に彩られている。

「私はこの町の靴屋や皮職人や愚か者のために戦う――そして、彼らも私のために戦ってくれる。」

生きていた時は、彼らは農夫や領主や巾着切りや僧侶といった烏合の衆だ。死んでからは、彼らは真義に基づき一つになる。

彼らが失った仲間への想いの中には、街を守るために必要な力がある。


パッと思いついただけでもこんなに義に溢れたFTがいっぱいある(※1)
イニストラードの白のカードは、ここ数年のMTGが忘れつつある何かを持っているのではないだろうか(※2)。

※1:問題はこいつらがゲーム中では暴力一辺倒な存在な事ではある。
※2:ドミナリアでライラのFTが激しく「正義の味方!」って感じだったし、最近のMTGのカードにも熱い正義の味方は探せばいるとは思う。

それはさておき。
読者の諸兄も思った事だろう、これは第一話にして早速「もうデッキに入れてないカード」の紹介記事なのである。
厳密に言えば、去年まではメインへの1枚差しを行っていた。
せっかくだ、昔話をしよう。


昨今はフェアデッキ環境であり、消耗戦も珍しくはない。
忘れた頃にフラッシュバックから一撃必殺が出来たり、そもそも素撃ちがアンセムや妄信的迫害、真面目ソリンなどで異常な強さになる。
当時は土地25枚というヘビーコントロールめいた構成のため、違和感なく投入が可能だったのだ。

そこから、転機が訪れた。
白黒トークンは要するに「支度に手間のかかるミッドレンジ」である。
tierで言うなら3-4だろうか、回り損ねるとどんなデッキにも勝てない。
アンセムをいくつも並べてクリーチャーがなくて死んだり、延々1/1を並べるだけで死んだ経験も多い。

中でも土地25枚の構成の時きつかったのは「重いデッキ」と「コンボデッキ」である。
当時キルターンは6-8ターンだったと記憶しているが、これはつまり「自慢のメイン7-8枚のハンデスで決定的なカードを落としても、今引きでまくられかねない」速度だったのだ。
ドローも占術もないので、苦花以外でアド比べに参加出来ない。

世の中、人の足を引っ張っているだけで勝てる戦いなどないのだ。
邪魔されながらも、今引きのタルモやプレインズウォーカーを出していく人の方が強かったような気はする。
まあすべて白黒トークン全体に漂う「カードパワーの低さ」が原因なんだけどね。

そこで僕は土地を21まで削り、穴だらけだった1-2マナ域の補強に長い時間をかける事になるのだが……
まあそこらはいつか書くかも知れないし、書かないまま終わるかも知れない。


なんにしても「高まる献身/Increasing Devotion」を去年デッキから抜いたのが、デッキとしてのターニングポイントだったように思う(※3)。
そこで第一話はこのカード、ってね。

お相手はtwelve01100でお送りしました。


※3:あれっ、去年じゃなく今年だったかな。


追記:白黒トークン列伝が終わったら「赤トークン列伝」を書こうと思う。
   その際の最終話のタイトルは諸兄には容易に察せられる事と思う。
結論から言えば、昨日はまずまずの成績を残せた
あとちょっと勝ってたら白黒トークン全一を自称できてたかもな

バトルボンドのリミテも楽しかった


でも、好きだったデッキをボロカスに言われて立ち直れそうにない


市内にもう一軒くらい店があればそっちに行くのだが、地方はその辺が難しいねんな…


「そいつをブッ倒せば気分良いだろ」って?
そういうもんでもないんだ、こっちが勝つと「うわー、個人メタされちゃったわww」とかなるし

でもきっと引退はしないし、もうちょっと時間があれば立ち直れる

砂を掴んで立ち上がれ、僕
今日は、この街で初のモダンfmm。
エターナルブルーは使用禁止令を出されちゃったから、先日日記に書いた白黒トークンでの参戦になるだろうけど、負けるつもりは一切ない。

むしろ、モダンフォーマットが始まったくらいからずっと使ってるデッキだ。
楽しいし、「使いこなせる」と言い切れる。

全ての「ネットで調べても実績あるレシピに辿り着けないトークンズ勢」のため、僕は優勝者になる!(twelveの誓い)
影生まれの使徒を30枚前後持っている。

EDH黒薔薇のマルチェッサで「鐘楽のスフィンクスばば抜きコンボ」をやって度肝を抜くためだ(なお、強くはない)。
一応マルチェッサの能力で「アタック指定後に急にサクられて終了ステップに復活」とか不気味な挙動も出来る(これも派手だが強くはない)。

あまりに強くなさ過ぎてこのデッキは解体され、使徒達は若テイサデッキに移動していった。

それはいい。別にテイサデッキで活躍してるから良いんだ、強くはないが。



EDHで、「使おう」と決意したものの活用できてないギミックがまだある。

白のレベルのカードを全種類1枚ずつ持ってるの、何かに使えないかなぁ……
バリスタ班で武力介入するの楽しいし、好きなんだよなぁ。
ついに日記を書いてしまった……!!

愛と真実のROM専を貫く所存だったのになぁ。
いつの間にか「ROM専→読み専→書いたりもする(イマココ」、うーむ…

まあどうせ備忘録さ、備忘録……
大会(モダンFNM)近いしね、しょうがないね


【前回からの変更点】

崇拝をサイドから抜いた。
ソリンを増やした。
生成手段を増やし、苦渋の破棄は苦渋の破棄した。

メタとしては青トロン、緑ストンピィ、青白コンは絶対にあたるだろうなぁ…


【メインデッキ】
2 調和隊の聖騎士

4 コジ審
3 思考囲い
4 急報
2 妄信的迫害
4 未練ある魂
2 荒野の確保

4 軍団の上陸
4 無形の美徳
4 苦花
4 弱者の力線

2 真面目な訪問者、ソリン

21Land
(うち大天使の霊堂2、シェフェトの砂丘3)

【サイド】
1 苦渋の破棄
2 パス
2 強迫
2 外科的摘出
2 安らかなる眠り
2 解呪
3 機を見た援軍
1 真面目ソリン

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